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ショート動画プラットフォーム「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」が2021年2月5日に香港上場を計画していることが分かった。香港IPOにおける引受証券会社が明らかにしたところでは、目標評価額は500億ドル(約5兆1800億円)だという。
快手は2011年3月に設立された。最初に手掛けたのはGIF動画の作成・共有用アプリだが、たった数年でショート動画、ライブ配信、ECを一手に抱えるインターネット大手に成長した。現在、プラットフォームのDAU(デイリーアクティブユーザー数)は3億人、MAU(月間アクティブ ユーザー数)は4億人、1日の露出回数は1000億回を超える。
ここでは、製品形態、収益化の仕組み、財務状況などさまざまな角度から快手の将来性を分析する。
【徹底分析】中国バイトダンスの最大競合「快手」、目論見書から見る収益モデルと事業展望(一)
ECに注力で「第三の成長の柱」へ
実際、EC事業も快手の事業計画において重要な地位を占めてきた。
2018年6月、EC機能が初めて一般公開された。当時、快手のインフルエンサーがアプリのライブコマース機能を活用して5時間で1億6000万元(約26億円)を売り上げ、快手のECブームに火をつけた。
アリババ傘下のライブ配信プラットフォーム「タオバオライブ(淘宝直播)」に比べ、快手のライブコマースは独特の「コミュニティ経済」が強みで、そのおかげで転換率や再購入率が極めて高く、急成長を実現した。
目論見書によると、2018年と2019年のEC取引額はそれぞれ0.97億元(約16億円)と596億元(約9500億円)で、2020年上半期は1096億元(約1兆8000億円)に達した。2020年8月の受注は5億件を突破。過去12カ月の受注件数は、アリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝)」および「天猫(Tmall)」、「京東商城(JD.com)」、「拼多多(Ping Duo Duo)」に次ぐEC業界第4位になった。
上場を控えたユニコーンの財務分析
快手は9年でショート動画、ライブ配信、ECを抱えるスーパープラットフォームになった。では、間もなく上場するこのユニコーンの財務状況はどうなっているのだろうか。
目論見書によると、2017~2019年に売上高は83億4000万元(約1300億円)から391億2000万元(約6300億円)へと5倍近くに増加した。
特筆すべきは、2020年上半期の売上高が前年同期比48.3%増の253億2100万元(約4000億円)となったことだ。しかし同時に、調整後の損益は63億4800万元(約1000億円)の赤字になった。販売費やマーケティング費用が2019年上半期の30億1900万元(約500億円)から2020年上半期には137億900万元(約2200億円)に大幅に増加したためだ。
近年は研究開発費も高い水準で推移している。2017~2020上半期、研究開発費はそれぞれ 4億7700元(約70億円)、17億5500万元(約300億円)、29億4400万元(約500億円)、22億5200万元(約400億円)だった。
また、保有資金に比較的余裕があり、資産や負債の状況も比較的健全だ。
買収で広げる勢力図
快手は近年、投資や企業買収を加速している。
公開データによると、快手は2017年から始めた投資を2018年以降に活発化させ、現在すでにコーポレートサービスやAIなどの分野で30件近くの対外投資を行っている。中でもAI(人工知能)、ゲーム、オンライン教育への投資が比較的集中している。
例えば、AIの分野では、企業向けにビッグデータの解析・活用支援サービスを手がける「明
教育分野では、2019年5月にK12(幼稚園年長から高校卒業まで)向けのオンライン教育プラットフォーム「精準学(Jingzhunxue)」、2020年4月に子供(3~10歳)向けのオンライン教育プラットフォーム「火花思維(Spark Education
快手の事業は現在、一段と多様化しながら拡大している。
作者:節点財経(ID:jiedian2018)
(翻訳・二胡)
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