スタバ、中国での売り上げが初めてマイナス成長、デリバリーで回復を狙う
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中国市場の不調により、スタバはデリバリーに手を出す可能性がでてきた。
スターバックス社(NASDAQ銘柄名:SBUX) は今日、2018年7月1日までの第13年度第3四半期における業績を公表した。それによると、当該期における連結純売上高は前年同期比で11%増の63億ドルで、新規511店については前年同期比で11%減少した。売上高の増加の要因は主に、華東地域1300店の所有権変更による増収である。
正式な財務報告を公表する前、スターバックスは2018年度第3四半期の売上見込みを発表。その中で当該期における全世界の店舗での売上額は前年同期比で1%増加で、アナリストによる予想値2.9%より明らかに低くなっている。この数字はスターバックスのここ9年における最もひどい値だ。今日発表の財務報告の中にも、再度この1%という数字が盛り込まれる。

上記:スターバックスの2018年第3四半期における営業データ
ずっと頼みの綱だった中国市場の、今四半期の状況にはスターバックスも意気消沈した。中国国内の店舗での売り上げは2%下降、第2四半期の売り上げが4%伸びた点と比較すると、その落ち込みはあまりに大きい。財務報告によると、中国およびアジア太平洋地域での売り上げは46%と大きく伸びたものの、それは中国華東地域における店舗所有権変更に伴う収入によるところが大きい。

上記:中国及びアジア太平洋地域における売り上げ状況
近年中国市場において、luckin coffee(瑞幸咖啡)などの新しいコーヒーショップが、デリバリーサービスとWeChatソーシャル・エコシステムにより第一・二都市において急速にシェアを拡大してきた。スターバックスはluckin coffeeとは直接競争しているわけではないが、一方のluckin coffee側はというとスターバックスと優劣を競う気満々だ。今年5月、スターバックスの中国投資家総会が行われ、その期間中にluckin coffeeは、スターバックスが市場を独占しているとして提訴し、大きな議論を呼んだ。そして2社は争うこととなった。
さらに面白いのは、スターバックスもデリバリーサービスを開始しようとしていることだ。スターバックスはこれまで、店舗における質の高いサービスにより、中国の消費者に対しコーヒーをもっと心と肌で感じてもらえるようにしてきた。そのため、そういうことができないようなデリバリーサービスや、デリバリー業者との業務提携は今まで一切行わなかった。しかし、今年6月末に行われた財務分析者会議の席上、スターバックスの総裁兼CEOケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)氏は中国エリアでのデリバリーサービスに関する最新状況を伝えた。その中で氏は、中国チームはある大手技術系会社と、デリバリー方面における業務提携の内容に関する協議を行っており、年末までには具体化し、実行に移せる予定だ、と明かした。これまでにもスターバックスはMeituan.comとデリバリーで業務提携するとの情報が流れていた。
現在、スターバックスのモバイル決済業務は全体のわずか13%を占めるにとどまり、特にモバイル決済の発達した中国市場においては、デリバリー業務には大きな伸びしろがある。同時に、ひとたび実行に移せば、スターバックスは低迷市場でもっと伸びることができるかもしれない。
力強さはますますなくなり、市場ではますます競争が激しくなっているものの、スターバックスはいまだ中国市場に対して大きな期待を抱いている。今年5月の投資者総会では、2022年度末には、中国大陸における店舗数を6000件にまで増やし、新たに100の都市に進出することで計230都市に展開、毎年600店ずつ新規店舗を開く、と明かした。今後5年間の見通しとして、中国における総売り上げは2017年度の3倍以上、営業利益は2倍以上としている。
中国市場での売れ行きは芳しくなく、本国の市場でも有料会員の獲得が資金的苦境に立たされている。
スターバックスはこのほどアメリカにおいて、得点プログラム”Starbucks Rewards(TM) loyalty program”を実施、新たに190万人のアクティブ会員を獲得した。これにより総会員数は前年同期比14%増の1510万人となった。しかし1つ深刻な問題がある。それは現在、アメリカの会員全体の支出額が、米法人収入額の40%に達するという点だ。

競争は激しさを増し、消費が伸び悩む中、スターバックスはさらに「コーヒーの発癌性」問題と北米での「人種差別」の2つの問題に直面し、風評危機に見舞われた。名誉を挽回すべく、スターバックスは販売戦略としてコールド・ドリンク類に重点を置き、ライトコーヒーというコンセプトを打ち出し、さらにより多くの関連商品をリリースした。またその前にはHey Box(天猫小黒盒)と共同で、全く新しいアクセサリのようなスターバックス・ギフト・カードをリリースした。これら一連の取り組みはスターバックス凋落の危機を救ったと同時に、新しい会員の獲得にもつながった。
中国国民の間で「限塑令」と呼ばれている、世界的なプラスチック製品使用制限により、スターバックスも環境にやさしい材料の開発に予算を投じ、研究開発をさらに進めた。また当該規制に対応すべくマクドナルドとスターバックスは、完全回収可能な、また自然に還るカップの研究開発で協力することとなった。両社はさらに共同出資でコンペを開き、起業家や専門家を招いて繊維を基本材料としたリサイクル可能なカップの開発を行う。その成果は最終的に製品化につなげるためのソリューションとし、環境にやさしいペーパーカップやストローの開発を行う。
コーヒー業界における一連の新しい消費向上の流れの中、スターバックスの大きな変革一つ一つがその未来を変える。
Q3財務データのポイント:
l 全世界の店舗での売り上げは1%増加。
l 南北アメリカ大陸とアメリカ国内の店舗での売り上げは1%増加。
l 中国店舗での売り上げは2%減少。
l 総合純収入は63億ドルで、前年度より11%増加。この中には以下のものが含まれる:
(1)華東地区での業務買収及びその他負荷軽減策:ティーバナ(Teavana)の店舗閉鎖、 タゾ(Tazo)売却、および国際小売事業の所有方式からライセンス方式への転換によ る純利益3%。
(2)外貨両替による利益1%。
l GAAP営業利益率(組織再編や減損にかかる費用を含む)は前年同期比で190ベーシスポイント減の16.5%。
l Non-GAAP営業利益率は18.5%で、前年同期比で230ベーシスポイント減少。
l Starbucks Rewards(TM) loyalty programによりアメリカ国内でアクティブ会員が190万人増加、前年同期比で14%、会員数は1510万人。アメリカ国内会員の総購買額はアメリカ法人の売り上げ額の40%を占める。
l モバイル注文・決済はアメリカ法人における販売業務の13%を占める。
l 第3四半期中に511件の新規店を開店。現在店舗数は77の市場で28720件。
l 配当と株式買戻しを合わせて13億ドルを株主に還元。