人気化するマウスピース矯正 北京大・清華大で共同設立の口腔医療サービスが数億円調達

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口腔医療サービスを手掛ける「締佳医療(美立刻、Click)」は先ごろ、深圳市場に上場する「欧普康視(OVCTEK)」傘下の「中合欧普医療健康基金(Zhonghe Oupu)」から数千万元(数億円)を調達したことを明らかにした。

同社は昨年、「博遠資本(Bio Track Capital)」から資金を調達。それ以前にも2019年に「中信資本(CITIC Capital)」と「雅恵投資(Alwin Capital)」からシリーズB、シリーズAで、2016年に「世紀長河集団(Century Galaxy)」からエンジェルラウンドで資金を調達している。

整った歯並びが新しいファッションとなりつつある。街頭の広告やインフルエンサーのSNSでは「クリアアライナー(マウスピース矯正装置)」を目にする機会が増えた。3D技術の発達によって歯列矯正の固定観念は劇的に変わり、今や歯列矯正で「金具を付けた女の子」「アイアンマン」などと言われることがなくなった上、クリアアライナーはファッショナブルで美しいとさえ見なされるようになっている。

クリアアライナー市場の成長率は60%以上に達する。人口と成長率をもとに試算すると、向こう5年間で市場規模は150億元(約2500億円)に上る見込みだ。

締佳医療は清華大学と北京大学の口腔医学グループが共同で設立、クリアアライナーによる着実かつ効率的なフルソリューションを提供している。同社は2015年にリリースした製品「美立刻(Click)」を通じ、2020年末までに4万人以上の患者にクリアアライナーサービスを行ってきた。

Clickには、◇ドイツ製の医療用樹脂を使って安全性を確保◇厚さわずか0.75mmで取り外しが容易◇精度が高く0.2mmずつ歯列を矯正◇個人の治療プロセスに合わせたオーダーメード◇交換は2週間ごとといった特徴がある。

締佳医療は中国で初めて口腔用3Dプリンター感光性樹脂を自社開発。また、中国で唯一の歯科用ラミネートを独自に生産したほか、中国で唯一のオートメーション化スマート製造拠点を構築した。カギとなる原材料のコア技術や3Dプリンターなどのオートメーション化により、コストパフォーマンスは業界でも高い水準にあるという。

同社は欧普康視との間で口腔医療分野の産業チェーンから販売チャネルまでを含む幅広い提携を進める。さらに、安徽省の合肥ハイテクエリアで「クリアアライナー全産業チェーンスマート製造+研究開発プロジェクト」に着手、5億元(約80億円)を投じてクリアアライナーの完全オートメーション生産ラインに加え歯科用ラミネートや口腔用感光性樹脂の生産ライン、口腔デジタル製品研究開発センターの第2本部を建設する計画だ。
(翻訳・神戸三四郎)

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