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市場規模が1兆元(約16兆6000億円)になる中国の不動産賃貸業界では、過去5年間で長期賃貸マンションが台頭して業界は次第に成熟し、新たな成長段階に入っている。
マンション総合管理サービス「小水滴科技(Xiaoshuidi)」は2014年設立で、当初はブランドマンションの運営を試みたが、その後は同業の中小企業にSaaS製品を提供し始め、2018年初めにはターゲットを大企業に変更した。
現在は中央企業(中央政府管轄の国営企業)、地方の国有企業、デベロッパー、ブランドマンションに対し、スマートマンションシステム、マンション全体の家具・インテリアのソリューション、運営コンサルティングサービス、委託管理の四つの製品を提供する。
スマートマンションシステムには、SaaS管理システムとマンションのIoTプラットフォームの二つがある。システムは物件の管理、電子契約、支払い、メンテナンス、賃貸契約の解除・返金などすべての業務プロセスを網羅する。IoTプラットフォームはドアロック、水道・電気メーターのスマート管理にとどまらず、セキュリティ、消防、スマートホームなどの需要に対応している。中堅・大手企業の悩みに応え、管理会計と財務会計の一体化、法人顧客の管理、発生主義での会計処理、プロセスマネジメント、セキュリティ管理などの機能も備える。
マンション全体の家具・インテリアのソリューションでは家電、家具、ファブリックとそのレイアウト、共用部分の設備用品などの全カテゴリー製品を対象に、全体の設計、物流、納品、アフターサービスの全プロセスを手掛ける。また、共用部分の機能設計で需要とミスマッチが起きている問題に対応し、共用部分の設計、サプライヤーや設備の選定、運営管理プランなどのサービスを提供する。
運営コンサルティングサービスでは、建設プロジェクトの段階に応じたサービスを提供する。プロジェクト立ち上げ前にはプロジェクトのポジショニング、管理システムの構築など、開業前にはマーケティング管理、運営管理、セキュリティ管理の設計などを行う。運営が安定期に入ったらキャッシュフローの最適化、融資や税務の計画などのコンサルティングサービスを提供する。
委託管理サービスでは、国有企業とデベロッパー向けに通常の運営サービスに加え、セキュリティ運営システムの構築、スマート管理なども行う。
創業者兼CEOの馮玉光氏は、以前は顧客の需要に対応する形で慎重に業務を拡大させてきたが、ポジショニングと製品のロジックが確定してからは急成長し、2020年はコロナ禍でも業績が倍に伸びたと話す。
中堅・大手顧客のニーズに応じ、2021年はブランドの運営、宣伝、企業内研修の三つのサービスを新たに始める予定。中小のマンション企業に対しては、SaaSプラスアルファのビジネスモデルを模索中だ。
現在顧客は上海市政府傘下の企業、中央企業の子会社など100社近くになり、2021年の売上高は1億元(約16億6000万円)を超える予定だ。
小水滴の本社は上海にある。馮CEOは不動産業界でトップ100に入る企業で投融資の担当役員を務め、不動産、投融資などの分野で20年の経験がある。また、不動産の専門家としても活躍中だ。
同社は2014年にエンジェルラウンド、2015年にシリーズAを実施し、2017年には保険大手「中国平安保険(Ping An Insurance)」グループから戦略的投資を受けている。
(翻訳・二胡)
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