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米経済紙Forbesが今月3日までに公表した世界長者番付によると、駆動用バッテリー中国最大手「寧徳時代(CATL)」の曾毓群(Robin Zeng)董事長が42位にランクインし、保有資産は345億ドル(約3兆8000億円)に達した。
曾氏率いるCATLは日本、韓国の独壇場だったバッテリー業界をどのように変え、事業を拡大してきたのか。そして今後の方向性について以下で掘り下げる。
巨大な影武者として確立した地位、激化する競争
曽氏は「リチウムバッテリーを発明したのは日本、それを世界に売り込んだのは韓国、そして世界一の製品に押し上げたのは中国。世界一でないなら我々の存在意義はない」と言い切る。
先月末に公表されたCATLの2021年第1四半期決算(1~3月)によると、売上高は前年同期比112.24%増の191億6700万元(約3300億円)だった。上場親会社の株主に帰属する純利益は同163.38%増の19億5400万元(約330億円)に達している。
同社の製品供給先は「北汽集団(BAIC Group)」、「上海汽車集団(SAIC MOTOR)」など大手自動車メーカー。さらに、NIOの大型SUV「ES8」モデルやXpeng Motorsのスポーツセダン「P7」モデルといった話題の車に搭載されるのはほとんど同社製バッテリーだ。
韓国のバッテリー業界専門市場調査機関「SNE Research」の最新データによると、2021年第1四半期の世界の電気自動車のバッテリー搭載容量は前年同期比127%増の47.8GWhだったが、この成長に大きく貢献したのがCATLだという。
同社の2021年同期の駆動用バッテリーの搭載容量は前年同期比320.8%増の15.1GWhで、市場シェアは2020年通年の25%から31.5%にまで拡大した。ライバル社のLG化学、パナソニックのシェアはそれぞれ20.5%、16.7%にまで下がっているという。
駆動用バッテリーシェア世界一となったCATLだが、ライバルも続々と次の一手を打ってきている。国内のEV大手「BYD(比亜迪)」は2020年3月、LFPバッテリーを採用した極薄の次世代車載電池「ブレード・バッテリー」を発表し、自社以外の自動車メーカーにも供給を始めた。
また、CATLの顧客であるテスラも同年9月、米国カリフォルニア州にある試験工場で少量のバッテリーセル生産を開始したと公表。今年中には10GWhの生産能力を目標にしている。
この他、独ダイムラー、フォルクスワーゲン、米ゼネラルモーターズなどもバッテリー工場を建設予定だ。国内の「長城汽車(Great Wall Motor)」、「広州汽車集団(GAC Motor)」なども駆動用バッテリー事業に関する計画を公表し、市場をめぐる競争は激しさを増している。
作者:WeChat公式アカウント「全天候科技(ID:iawtmt)」
(翻訳:Qiunai)
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