海外修士号をオンラインで取得、中国教育機関が社会人向けサービス開始
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社会人向けオンライン教育企業「尚徳機構(Sunlands Online Education)」が、海外の修士号取得コースを開設した。尚徳機構は中国の社会人向けオンライン教育機関としては初めて米国市場上場を果たしており、海外の高等教育機関との提携で強みがある。
新設したコースは海外大学院の修士号(MBA、社会人大学院の修士課程を含む)取得に関して、入学申請から卒業までをオンラインで一括してサポートする。学歴、職歴などのレジュメと願書を志望校に提出し、合格すれば受講できる。課外ディベートや試験、論文、修士論文などで規定の成績を収めれば学位を取得できる。
中国のニュースサイト澎湃新聞によると、海外ではハーバード・ビジネス・スクールやウォートン・スクールがオンラインMBA課程を開設しているほか、国内では2014年から清華大学経営管理学院が試験的にオンライン課程を運営している。
尚徳機構による海外修士号コースの利点は以下の3つだ。
社会人修士取得の潜在需要は年60万人
北京・上海・広州・深センといった大都市在住でもない限り、社会人が働きながら修士号を取得するのは、通学できる教育機関が限られ、困難だ。その点、オンライン受講なら場所も時間も選ばずに学べる。通学に割く労力もカットでき、効率がよい。特に海外の修士号を取得するには渡航に伴う多額の費用がかかるが、オンラインは費用を大幅に圧縮できる。
中国の大学統一入学試験、通称「高考」の受験者数は過去10年ほど900万人で推移している。教育水準が向上し、短大卒や大卒が珍しくなくなった現在、高い競争力を得るにはさらに高い学歴を目指さないとならない。現在、MBA課程や社会人大学院の出願件数は年20万人を超えているが、尚徳機構は潜在ニーズは60万人にのぼると見積もり、同機構のオンライン修士課程で10万人の受け入れを見込んでいる。
オンライン教育の欠点を補完する各種サービス
尚徳機構は通常のオンライン課程ではカバーできないきめ細かなサービスが売りだ。海外の修士課程はすべて英語で講義が行われるが、尚徳機構では開講前に英語クラスを設けるほか、講義には翻訳ソフトを用いた同時通訳を導入、さらに各クラスに教務補助が就き、授業内容を中国語でまとめる。
また、受講生を居住地別で10グループに分けて起業家交流会を行い、人脈作りもサポートする。さらに、在校する大学へは半年に1回訪問し、1日体験入学ができる。
オンライン課程で修士号を取得する価値
オンライン課程と言っても入学選考基準からカリキュラム内容、学位授与の基準まで、一貫して通学制と同等に設定されている。現在、尚徳機構で開講しているのは米ベルヘブン大学、豪トーレンス大学、オーストラリア経営大学院など7校で、学費は平均11万元(約180万円)。開講3カ月で出願数は1万件以上、100人以上が入学した。受講の目的は学歴やスキルアップ、収入増のためと明確で、若い受講生ほどその傾向が強いという。