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モバイルECの開発・運営支援を手がける「YOUZAN(有賛)」が展開する海外版サービス「AllValue」が「中国100品牌出海計画(中国100ブランド海外進出プロジェクト)」の始動を発表した。中国の消費財ブランド、新興の輸出ブランド、越境ECプラットフォームを手がける販売事業者など約100社へ向けサービスを展開する。海外事業に関わる専門的支援と同時に、優良なモバイルサービスや販売代理店紹介や集客支援のプラットフォーム、海外版ミニアプリといった製品も展開する。
同社の白鴉CEOは昨年11月、YOUZANのグローバル化の目的について「中国国内で培ったソーシャルコマースの経験と商品を、AllVvalueとセットにして海外市場に広めること」だと語っている。
また、同社の高級副総裁を務める周凱氏は「過去5年間で中国には多くの消費財ブランドが誕生した。これらのブランドはインターネットを通じた新興メディア、チャネルの活用に長けており、顧客との接触スタイルに相互交流や商品体験という、従来のブランドにはなかった新しい形を生み出した。ターゲットとする顧客層にメッセージが伝わりやすく、集客効果も上がった。また、川上メーカーのDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進むにつれて、サプライチェーンの効率が大幅に上がってきた。中国で成果を上げたブランドにとっては海外市場開拓の条件が揃っている」と語った。
ファストファッションブランドとして越境ECを展開する「SHEIN(シーイン)」やスマートフォン・タブレット関連機器メーカー「Anker(アンカー)」などが海外で人気を博したことで、越境EC市場に挑戦するブランドは増えている。同時に、数多くの越境ECのSaaS(サービス・アズ・ア・プラットフォーム)も投資機関から注目され、「領星(ASINKING)」、「馬幇(MABAN)」といった企業が今年に入り資金調達を終えている。
YOUZANのグローバル化事業副総裁は、AllValueと他社SaaSとの違いについて「ソーシャルマーケティングとプライベートトラフィック(SNSアカウントやコミュニティなどを活用しコストゼロで集客を図ること)を中心とした、独自ショップ経営のサポートに強いところだ。また集客率、コンバージョン率、リピート率、口コミ拡散率の向上などにも焦点を当てている」と説明する。
YOUZANのツールは現在、海外でも認知度の高いWeChatやアリペイ、バイドゥなどと連携し、それらのトラフィックを使うことが可能だ。周氏は「海外でも利用者の多いSNSを利用し、ブランドの海外プラットフォームの立ち上げを行い、ソーシャルマーケティングやプライベートトラフィックを活用している」と話す。
消費財などの海外進出が進むにつれ、商品のブランディングの重要性はますます高まっている。ただプラットフォームで商品を売るだけでは成功しないのだ。また、DTC(direct-to-consumer、ネット直販)方式で独立したシステムを運営する新しい動きも起こっている。
海外ではリスティング広告やメルマガ広告が今でも独自ショップのアクセス数を伸ばす主要な手段だが、近年のフェイスブック、インスタグラム、TikTokといったSNSプラットフォームが集める巨大なアクセス数は無視できない。しかしその多くで展開される広告は従来のSNS広告だ。YOUZANはAllValueを通じて中国で浸透しているソーシャルマーケティングの手法を海外で展開させようとしているのだ。
同社高級副総裁の周氏は、今年後半でAllValue計画をさらに多くの市場で始動させたいと語る。さらに、顧客企業に注文数増加という結果をもたらしたいと意欲を見せる。
(翻訳:Qiunai)
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