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中国インターネット大手のバイドゥ(百度)の自動運転 プラットフォーム「Apollo」が6月17日、中国自動車大手「北京汽車集団(BAIC Group)」傘下の電気自動車(EV)ブランド「アークフォックス(極狐)」と共同開発したライドシェア用無人自動運転車「Apollo Moon」を正式に発表した。
Apollo MoonはEV「アークフォックスαT」をベースに開発され、「レベル4」の自動運転が可能。カメラ13台、ミリ波レーダー5基、LiDAR2基を備え、コンピューティングプラットフォームの計算能力は800TOPSに達する。価格は、車両本体と自動運転用設備で計48万元(約820万円)となっている。
Apollo Moonは第5世代にあたり、これまでの改良で信頼性が大幅に向上している。最初にハードウエア障害が起きるまでの時間は2万時間以上と長く、5年間の安全な走行が保証されるという。
バイドゥの自動運転事業群副総裁の魏東氏は、Apollo Moonの使用可能期間を5年とすると1カ月のコストは8000元(約14万円)になるとし、Apollo Moonはコスト面で現行のネット配車専用車に取って代わる可能性があるとの見通しを示した。
一線都市ではネット配車の運転手の人件費だけでApollo Moonの1カ月のコストと同程度となっており、二線都市でもネット配車の運営費が月に5000元(約9万円)以上になるという。
また、Apolloとアークフォックスの技術連携はシステムの搭載にとどまらず、製品の使用体験やシステムインテグレーションの共同テストにも及んでいる。
バイドゥ副総裁で自動運転車部総経理の王雲鵬氏によると、メインのLiDARはバイドゥとLiDARメーカー「禾賽科技(Hesai Technology)」が共同で開発したことにより、コストが50%近く低下したという。
また、王氏は「Apollo Moonが使用しているLiDARやワイヤーハーネスの数は、現在の無人自動運転車で最少」と述べている。このこともコスト低減の理由となった。。
悪天候や劣悪な状況でも安全運転ができるよう、Apollo Moonはカメラを13台に増やした。また、すべてのセンサーが自己診断機能と自動クリーニングシステムを備えている。
バイドゥとアークフォックスは今回改めて戦略提携を結び、今後3年間で無人自動運転車1000台を生産することとした。Apolloは間もなく、北京市通州区や上海市、広東省広州市、重慶市などで無人自動運転車の運営を開始する予定だ。
今年からは事実上の商業化を始め、5月に北京市内の一部地域で無人自動運転タクシー「Robotaxi」のサービスを開始している。ユーザーは「Apollo GO」のプラットフォームを通じて配車予約できる。
ただ、体験者はRobotaxiの料金は安くないと話す。北京市内のある区域では走行距離1キロあたりの料金は30元(約500円)で、従来のタクシーやネット配車をはるかに上回る。
Robotaxiの正式運営を実現するため、バイドゥはApolloの商業化を3段階に分けて進める計画だ。すでに路側機が整っている都市では運営を開始し、ユーザーに無人自動運転車に慣れてもらう。
続いて、大規模運営を展開する都市で、商業化の実験を行う。また、特定の地域に小規模な形で無人自動運転車を投入し、運営の実用性を高めるという。
(翻訳・二胡)
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