顧客数3000社、超音波センサーがロボットの「目」に 

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深圳市導向視覚技術会社(以下、「導向視覚」)はロボット向け超音波測距センサーの生産を手がける。2016年設立で、親会社は深圳市導向機電技術(Daoxiang Electrical Technology)。導向視覚の視覚製品は20種類を超え、主にロボット、工業用・医療用測距などに使われている。販売量はすでに50万台を超えた。

超音波は空気を伝わる。導向視覚が開発するのはその超音波を利用し距離を測るセンサーだ。ロボットの進行方向に障害物がないかどうか確認し、安全を確保する。

レーザー光を利用したLiDARと比較すると、超音波センサーはコストが低く、操作も簡単で透明の物体でも識別が可能だ。だが、測距の精度と障害物の方位検出時の精度はLiDARの方が上回る。低コストを強みに、超音波レーダーはモバイルロボットの市場で大きく拡大している。

ロボットの分野では、導向視覚の超音波ガイドが障害物回避に使用されている。主力製品はKS104とKS114。カメラ、LiDAR、ミリ波レーダー、赤外線などが0~30センチの検知しにくい範囲で精確な測距をするための補助的役割を担う。同社の肖清CTOによると、「高仙機器人(Gaussian Robotics)」や「穿山甲機器人(CSJBOT)」などのロボットメーカーが同社製品を使用しているという。

KS104とKS114

工業用測距の分野では、同社の超音波センサーは精密測距、液面計、塗装のポジショニングなどで使用されている。同社製品は体積やビーム角の小さい分野でも高い精度を担保でき、人体に有害な粉じんの多い場所でも使用できるという。

医療分野では、身長測定などに超音波モジュールを使用できる。主力製品はKS109で、1ミリ単位でも正確に計測できる。

KS109

同社の強みは自社開発したランダム周波数技術だ。超音波センサーをロボットに搭載した際、まず直面したのはさまざまな機械との協働という課題だった。ロボット1台には12台の超音波センサーが搭載され、25ms間隔で測定を行っている。もしロボット100台が一度に作業すれば、1200台のセンサーが25ms間隔で測定することになる。超音波は空気を介して伝わるので、ロボット同士で干渉する可能性が高く、最悪の場合ロボットの故障を招く。ランダム周波数を使用すれば、高い確率で干渉を回避できるというわけだ。同技術を取り入れた超音波センサーが多数のロボットメーカーで利用されている。

また、製品の寿命が長く、不良品が少ない点も特徴だ。超音波センサーがロボットに搭載される頻度は自動車よりも多い。導向視覚の超音波センサーをロボットに搭載した場合の寿命は5万時間で、不良品率は100万分の2以下だ。

超音波センサーはハイエンド製品であれば価格は数千元(数万円)程度。導向視覚は20種類以上を展開し、販売価格は数百元(数千円)から数千元までさまざまだ。2020年の売上高は数千万元(数億円)に達しており、今後数年で1億元(約17億円)を突破することが見込まれる。現在、同社の顧客は国内外で3000社を超えている。

(翻訳・Qiunai)

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