性感染症、子宮頸がん増える中国で女性向け洗浄液市場拡大。ウイルス殺す製品開発も

中国で若年層を中心に子宮頸がんの罹患率が高まっている。15~44歳の女性のがん発症部位で2番目に多く、発症件数は年13万件と報告されている。その罹患者数は世界の28%以上を占める。

子宮頸がんの発症原因とされるのは、HPV(ヒトパピローマウィルス)。子宮頸がんだけではなく、膣がん、肛門がん、皮膚がん、尖圭コンジローマを引き起こす。感染を防止する主な方法は、コンドームの使用とワクチン接種とされる。中国では2018年4月、9価HPVワクチンが認可されたが、高額なうえ、45歳以上の女性にはほとんど効果がみられないことから、期待される効果にも限りがあると考えられる。

しかし、2018年初めに設立されたスタートアップ「統益生技」が、HPVの感染予防に光明をもたらすかもしれない。

安定型次亜塩素酸ナトリウムの関連製品を開発し、生産、販売まで手がける統益生技は、今年8月と9月にシードラウンドで合計800万元(約1億3000万円)を調達 (出資元は非公開)。主に女性や子どもの健康・衛生面のサポートを目指し、現在は2製品を開発中だ。

一つめの製品は、女性向けの膣内除菌ジェル。注射器型の容器で簡単に注入できるようになっており、HPVなどのウィルスを除去する。二つ目の製品は、子供向けに開発された洗い流さないタイプの除菌ローションだ。

「Bclear」イメージ画像

統益生技の創業者王朝陽氏によると、女性用除菌ジェルの主要成分は、ウィルスの外殻をせん孔し、核酸を破壊することでウィルスを殺す。現在、国立研究機関でHPV、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)、HSV(単純ヘルペスウィルス)に対する抗ウィルス効果を検証中だが、初期の検証結果では99.99%の効果を示したという。統益生技は安定型次亜塩素酸ナトリウムの生成技術、次亜塩素酸ナトリウムのゲル化技術の2項目について、日・中・米・独・露の5カ国で同時に特許を申請中だ。

製品は2019年3月に発売予定。価格は、女性用除菌ジェルが1箱3本で90元、子供向け除菌ローションが50mlで40元に設定した。販売はバーティカルECやドラッグストアチェーン、医療機関などを通じて行う。

中国の女性向け洗浄液市場は、2012~2016年に12~18%のペースで成長している。2016年には308億2000万元を売り上げた。経済発展と流動人口の増加によって、中国では年20~30%のペースで性感染症の罹患率が上昇している。市場で流通している洗浄液や除菌ジェルは細菌には効果を示すが、ウィルスに対して有効な製品は存在しないのが現状だ。

女性向け洗浄液市場の概況(データ提供:新思界産業研究中心)

統益生技は現在、10数人のメンバーで構成されている。創業者兼CEOの王旭陽氏は香港理工大学で経営学修士(MSc)を取得。シンガポールでエネルギー企業のCEOを務めた。共同創業者の章平氏はP&G、IBM、ヤフーなどでセールスディレクターを歴任した人物。同じく共同創業者の呉政憲氏はコマースマーケティングIT企業クリテオの中国地区代表を務めた。同社は近く、新たに1500万元を調達する計画だ。
(翻訳・愛玉)

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