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中国の漫画アプリ「快看漫画(KK Comics )」を運営する「快看世界(KK World)」がこのほど、2億4000万ドル(約260億円)を調達したことが分かった。既存株主のテンセント、「Coatue Management(コーチュー・マネジメント)」、「天図資本(Tiantu Capital)」が追加出資したほか、「建銀国際(CCB International)」と韓国のアプリストア「ONE Store」が新たに出資に加わった。
快看はこれまでに5回にわたりテンセント、天図資本、セコイア・キャピタル・チャイナなどから累計25億元(約430億円)を調達している。前回はシリーズE で2019年8月にテンセントから1億2500万ドル(約140億円)を調達し、その後快看の評価額は10億ドル(約1100億円)を超えた。
今回当初の目標額以上を調達できたのは、快看が「スーパーニューZ世代」のユーザーを抱えていることに出資者が期待したからだという。快看は、2000年以降に生まれたZ世代よりもさらに若い世代を独自にスーパーニューZ世代と呼ぶ。
今回の資金調達を受け、快看は今後3年でオリジナル漫画の関連事業に10億元(約170億円)を投じ、さらに10億元(約170億円)を投じてパートナーと漫画を原作とした短編アニメを制作する計画をスタートさせた。
快看の創業者である陳安妮氏は、社内メールで最新のユーザーデータを発表した。現在総ユーザー数は3億4000万人を超え、Z世代ユーザーが90~94%を占める。月間アクティブユーザーは約5000万人で過去最高となった。快看の漫画は中国国内にとどまらず、世界の70以上のコンテンツプラットフォームで配信されてメイド・イン・チャイナの文化を世界に届けている。
快看は2014年設立。主な製品は漫画アプリで、今月5日にはアプリをバージョンアップして快看漫画から「快看」に改称し、新作の短編アニメを配信。将来的には短編アニメ、漫画、映画やテレビドラマ、コミュニティ、ゲーム、オフライン体験ができる一大プラットフォームを構築する予定だ。
快看の売り上げの大部分は漫画事業の広告費、会員費、有料コンテンツの閲覧料、IP(知的財産権)のライセンス料などだ。登録している漫画家は10万人以上で、快看は過去3年間に累計7億8000万元(約130億円)の原稿料を支払っている。販売した書籍は累計325万冊、アニメ映画やテレビアニメのプロジェクトは累計60本、ライセンス契約は300件以上になる。
今回新たに出資した建銀国際は、中国の国有銀行の子会社だ。今回の投資について任弘立総経理は「快看に代表される中国の漫画プラットフォームの将来性を有望視している。快看は中国文化を海外に広める使命を担い、すでに顕著な成績を収めている。今後も業界の発展をリードしていくと確信している」と話す。
ONE StoreにはSKテレコム、NAVER(ネイバー)やLGグループなどの財閥系企業が出資している。今回の快看への出資についてONE Storeの李宰煥CEOは「急速に成長している中国の漫画の将来性に期待している。ONE Storeは韓国最大のアプリストアであり、今後快看の優れた漫画コンテンツを韓国で配信し、さらには映画、ゲームなども開発して共に世界市場を開拓したい」と語った。
ONE Storeの株主構成は3大通信キャリアが53.9%を占め、世界最大のオンライン漫画プラットフォームを抱えるNaverは26.3%、その他投資家が18.6%を保有する。
天図資本のマネジメントパートナー鄒雲麗氏は「快看の制作、作品発掘、IP運営の能力を高く評価している。また、快看のスーパーニューZ世代ユーザーは創作意欲が旺盛で創作能力が高い。こういう世代の人が集まるコミュニティは、将来ユーザーにさらに多くの喜びと感動をもたらしてくれるだろう」と話した。
(翻訳・二胡)
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