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AIソフトウェアを手掛ける「センスタイム(商湯科技)」が8月27日、香港証券取引所に目論見書を提出した。
目論見書によると、2018年、19年、20年の同社の売上高はそれぞれ18億5000万元(約310億円)、30億3000万元(約520億円)、34億5000万元(約590億円)で、21年上半期は前年同期比91.8%増の16億5000万元(約280億円)だった。
優先株式の公正価値の下落などの非経常的な損失金額を除いた純損失は、3年半で累計28億6000万元(約490億円)。年度別では、18年、19年、20年および21年上半期でそれぞれ2億2000万元(約37億円)、10億4000万元(約180億円)、8億8000万元(約150億円)および7億3000万元(約120億円)だった。
研究開発費は、18年、19年、20年および21年上半期がそれぞれ8億5000万元(約140億円)、19億2000万元(約330億円)、24億5000万元(約420億円)および17億7000万元(約300億円)で、合計69億9000万元(約1200億円)だった。
目論見書によると、センスタイムは18年からこれまでに大型のAIスーパーコンピューターセンターの建設およびAIチップ、AIセンサーなどのコア製品の開発に大量のリソースを投入している。このためキャッシュフローがマイナスになり、18年からの営業活動によるキャッシュフローはそれぞれマイナス7億5000万元(約130億円)、同28億7000万元(約490億円)、同12億3000万元(約210億円)、同8億3000万元(約140億円)となった。
AIソフトウェアは今後10年間に最も成長する分野の一つで、20~25年の年平均成長率は31.9%、25年には1218億ドル(約13兆4000億円)規模の市場になると予想される。
目論見書によると、センスタイムの売上高は中国のAIソフトウェア業界トップで、取引先は2400社以上及ぶ。うち、250社以上が米フォーチュン誌の発表する世界企業番付 「Fortune 500」に選ばれた企業で、119の都市と30社以上の自動車メーカーのほか、4億5000万台の携帯電話と200以上のスマホアプリも網羅する。
同社には40人の教授が在籍し、社員は5000人以上、うち約3分の2は科学者とプログラマーで、博士と博士論文提出資格者は250人余りになる。学術研究でも業界トップで、世界コンテストでの優勝は70回以上、600本以上の優れた学術論文を発表、AI関連の出願特許は8000件以上に上る。
センスタイムの事業はネットを活用したスマートビジネス、スマートシティ、スマートライフと自動運転車に及ぶ。さらにAIインフラであるSenseCoreを通して各分野でAIモデルの作成とソフトウェアの開発を支えている。センスタイムは目論見書の中で、主な強みはAIインフラを構築し、大規模な演算能力、アルゴリズムとプラットフォームを備えていることで、大幅にコストを抑えた上でAI視覚モデルの大規模な研究開発を実現したと強調している。
目論見書によると、同社はすでに23のAIのスーパーコンピュータクラスター (SCC)を構築し、2万2000種類以上のAIモデルを作成、パラメータ数が300億以上の世界最大の視覚モデルをトレーニングした。
センスタイムはこれまでに、ソフトバンクグループ、米ベンチャーキャピタル「IDGキャピタル」、「中国国有企業構造調整ファンド(China Structural Reform Fund)」などから累計52億ドル(約5700億円)を調達している。
(翻訳・二胡)
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