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電動スクーターのシェアリングなどモビリティ関連のサービスを展開する米スタートアップLimeが、11月よりカーシェア事業を開始し、まずはシアトルに車両500台を投入する。
共同創業者のトビー・サン氏によると、Limeはシアトルを皮切りに、2019年第1四半期にはサンディエゴで電動自動車のシェアリングサービスを開始する。同社は今年3月に電動スクーターや電動自転車のシェアリングサービスをスタートしたばかり。自転車、スクーター、自動車が出揃い、短距離(1キロ以内)・中距離(3~5キロ)・長距離(5キロ以上)の全てで移動手段を提供することになる。
同社は多様な移動手段を提供することで市場のニーズに応え、事業を成長させていく計画だ。シアトルは、これから迎える冬季には雨が多く、自転車での外出には向かないため、カーシェアを提供する場所として選ばれた。
同社が提供した資料によると、モビリティサービスの利用回数は今年10月末までに計2000万回に迫った。電動スクーターのシェアリング事業では過去1年間で13カ国に進出し、世界市場の60%超を占めている。すでに多くの都市で事業は黒字転換しており、年間売上高は3億ドル(約340億円)に迫るとみられる。事業全体では2019年第1四半期にも損益分岐点に達する見込みだ。
世界ではモビリティサービスが活況だ。Lime以外にもBird、Spinなど複数の競合企業がしのぎを削るほか、ライドシェア大手のUberやLyftも電動スクーター事業に参入した。
競争が激化する中、前出のトビー・サン氏は、「サプライチェーン」と「行政との関係」で差別化を図っていると述べた。サプライチェーンに関しては、中国で車両の設計と生産を全面的に行っている。中国では2016年ごろ、雨後の筍のようにシェアサイクルサービスが普及したが、すでに下火になりつつあり、車両は供給過剰の状態になっているからだ。また、行政については、関連法規を遵守し各自治体との連携を深めることで、同社のサービスを公共交通機関の一部に位置付けていくことができるとしている。
「モビリティサービス事業は有望だ」と断言するサン氏は、モビリティ関連のアプリはソーシャルアプリ同様に利用頻度が高く、将来的にはデリバリーサービスや決済サービスへの展開も可能だとする。
モビリティサービス事業は、米国をはじめとした海外では好調だが、中国では袋小路に入っている。シェアサイクル事業で一世を風靡したモバイク(摩拜単車)は今年4月、O2O大手の美団点評(Meituan-Dianping)の完全子会社となり、ofoは海外事業から相次ぎ撤退しており、倒産の危機が伝えられる。今年6月までに約500社が参入し、全国で10万台超が投入されたカーシェア市場でも、途歌(TO GO)や首汽共享汽車(GoFun)など複数の企業が利用者数で伸び悩み、事業不振と報じられている。
(翻訳・愛玉)
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