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海運業界のBtoB(企業間)プラットフォーム「E-PORTS」が6日、シリーズB1で数千万元(数億円)を獲得したと公表した。「金沙江聯合資本(GSR United Capital)」が出資を主導した。
E-PORTSの設立は2015年。オンラインで世界中の船舶管理業務をサポートする中国初のプラットフォームだ。デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて海運の各段階に携わる業者同士をつなぎ、船舶の運営管理会社に対し在港船のさまざまな海運サービスにかかわるソリューションを提供している。
世界経済は密につながり、貿易量は増大している。世界の貿易をつなぐ重要な役割を担う海運業も急速に成長しており、英海運調査大手クラークソンズ・リサーチの統計では2020年の世界全体の貿易量は130億トン、そのうち海運が占める割合は89%の115億トンに達したという。
しかし、国際貿易の「大動脈」であるはずの海運は、デジタル化の必要性がこれまでIT市場で軽視されてきた。船主、用船者、船舶管理会社、港湾運送や通関に関わる業者といったネットワークで行われるコミュニケーション方式はEメールが主流で、情報伝達の遅延や情報管理が煩雑などの問題が起きていた。
上記の問題を受け、E-PORTSはワンストップ型の海運サービスソリューションを提供するためのプラットフォームを立ち上げた。船舶経営管理に関する各業務を可視化し、寄港中の船舶のあらゆる状況を把握できるようにした。海運事業の業務効率は向上し、取引コストの低減につながった。
E-PORTSの顧客は2種類に分かれる。一つは委託サイドで、船主や船舶管理会社、用船者だ。もう一つはサービス業者で、船舶代理店を指す。売り上げは主にSaaS(サービス・アズ・ア・プラットフォーム)のサービス料、手数料、付加価値サービス料などである。同社の流通総額(GMV)は2020年には15億元(約260億円)に達し、売上高成長率は年間200%を超えた。
同社CEOの黄啓洲氏は、プラットフォームが好調な理由について3つのポイントがあると語る。
第1に、黄氏自身が海運業で長年の経験を有すること。同氏はテクノロジーを船舶業界に取り入れ、インターネットを駆使して業界の効率向上のために早期から動いていた。顧客との事業連携の経験も豊富に有する。
第2に、従来の海運事業者のDXとは異なり、企業間のコミュニケーションに着目し、港、船舶、管理業者の情報共有のためのプラットフォームにしたこと。
第3に、各方面の情報共有を実現しただけでなく、船舶の委託業者と代理業者がオンラインで価格見積もり、取引、契約などをできるようにしたこと。代理業者の集客力を上げ、マーケティングコストを低減し、情報伝達の効率、透明性を向上させた。
E-PORTSのプラットフォームには数千社の船舶代理業者、サービス事業者、船舶管理会社、造船会社、千社近い船主、用船者や船員管理会社が集まっている。オンラインサービスは世界95カ所の港、約5300の国際商船をカバーする。また、世界300カ所の港に情報を提供している。
黄氏は今後の戦略について「技術の研究開発と付加価値サービスを拡大したい。プラットフォームの役割を十分に発揮し、海運事業者がスマート海運時代へ移行できるよう橋渡しをしたい」と語った。
(翻訳・Qiunai)
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