OA設備リースの「人人租機」、アント・フィナンシャルから数千万元規模を調達

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OA設備リースの「人人租機」、アント・フィナンシャルから数千万元規模を調達

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OA機器・オフィス設備リース企業「人人租機(rrzuji.com)」が、アリババ傘下のアント・フィナンシャル(螞蟻金服)から、Aラウンドで数千万元規模の調達を行ったことが36Krの取材でわかった。調達した資金は組織や提携企業の整備、サービス拠点の拡充に投入する。

アント・フィナンシャルはすでに、デジタル製品を主力としたレンタル・リース業3社へ出資しており、人人租機は4社目の出資先となる。人人租機は法人向け事業を展開している点で他の3社とは異なり、中小零細企業を対象に、パソコンやプリンター、プロジェクター、スキャナーなどのOA機器、スマートフォンなどの通信機器、オフィス家具、白物家電まで幅広く提供している。現在の顧客単価は平均5000元(約8万2000円)だ。

創業者の洪国志氏によると、オフィス設備リースの普及率は国内ではわずか5%。欧米の60%を大きく下回っている。中国には5000万社の中小企業が存在し、1日平均1.6万社の零細企業が誕生しているともいわれるため、潤沢な資金を持たないこれらの企業をターゲットにすれば、リース事業が大きく伸びる可能性がある。

リース事業の内容は特に目新しいものではないが、洪氏は人人租機の特徴として以下の2点を挙げた。

1)サービス規模の拡大と集客
オフィス設備のリースは、扱う商品が大型であるため、サービスを提供するエリアが限定的なものになりがちだ。しかし、商品の種類やサービス提供エリアの広さが十分でなければ、事業そのものが成り立たない。

そこで、人人租機は2016年6月設立以来、全国220都市のリース業者2万社を自社プラットフォームに招き入れた。オンラインでは専門チームが、オフラインでは100都市のパートナー事業者が、リース業者の獲得に動いた。「園区」と呼ばれる工業団地500カ所へ営業拠点を設置し、SEOマーケティングを併用して集客した。

2)リスクマネジメント
リース業には販売先の信用調査も欠かせない。しかし、中国には信用調査を委託できる企業がほとんど存在せず、人人租機はこれまで自社で1社ごとに現地調査を行ってきた。今年3月からは、今回の出資者となったアント・フィナンシャルの信用調査システム「芝麻信用(セサミ・クレジット)」を導入。信用調査の全フローをオンライン化した。煩雑な手続きから解放され、顧客側もリースを利用する際の障壁が低くなった。

アント・フィナンシャルとの提携に加え、アント・フィナンシャル母体のアリババによる第三者決済システム「支付宝(アリペイ)」を導入することで、「信用」「決済」「集客」の3つで弾みがついた。人人租機は過去半年で受注件数が6倍になり、1日の平均受注件数は1000件に達した。延滞率も従来の10分の1に抑えられている。

また、他社との差別化を図るため、アフターサービスにも注力している。人人租機は2年をかけてアフターサービス管理システム「好易租」を開発した。これにより、プラットフォーム上の全リース業者が同質のサービスを提供できるようになっている。

人人租機は今回の調達を契機に、アント・フィナンシャルやアリペイとの連携を深めるとともに、法人向けサービスを提供する企業との異業種間アライアンスも進めていく方針だ。
(翻訳・愛玉)

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