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糖尿病患者向けの主食に特化したブランド「糖友飽飽」が今年4月にエンジェルラウンドで1000万元(約1億7000万円)の資金調達をしていたことがわかった。リードインベスターは投資調査会社である清科集団(Zero2IPO)傘下の「清科創投(Zero2IPO Ventures)」が務めた。調達した資金は商品開発、運営、市場拡大に充てられるという。
糖友飽飽は2020年に設立。商品には「ショ糖、コムギ、でんぷんを含まない」機能性食品、おやつ類、プロバイオティクス、サプリメントがあり、主なターゲット層は2型糖尿病患者だ。創業者の朱水旺氏によると、同社の糖分控えめの食パンはアリババ系大手EC「天猫(T-Mall)」で、発売わずか2か月で累計販売数が100万袋を突破したという。
「中国2型糖尿病予防ガイドライン(2020年版)」によると、中国の糖尿病患者の罹患率は11.2%まで上昇しており、10人に1人が糖尿病だ。同ガイドラインでは、現在中国の糖尿病患者数は約1億1600万人いるが、食事療法の効果が望め口当たりが良い商品は少ないと指摘している。
朱水旺氏によると、糖友飽飽の低炭水化物食品は食後の血糖値を抑え、満腹感を高める働きがあるという。糖友飽飽の主食とおやつ類の炭水化物含有量は一般食品の6~10%ほどだ。一般的な麺類の炭水化物含有量は70%になるが、同社の糖分を控えた麺類の炭水化物含有量はわずか6.8%だ。「主食の炭水化物量を抑え、食後の血糖値の上昇を抑える。インスリン投与量と血糖降下薬の服用量を減らることができる」との見解を示した。
低炭水化物食品の摂取により2型糖尿病の改善が見込まれるが、糖友飽飽が低炭水化物食品を最初に開発した企業だというわけではない。糖尿病など生活習慣病の患者が病気を管理をするのをサポートする米国ヘルスケア企業「Livongo Health, Inc.(リヴォンゴ・ヘルス)」は創業5年で上場し、同社が開発した低炭水化物食品のユーザーは30万人に上る。これは米国糖尿病患者の1%にも満たない数だが、同社の評価額は185億ドル(約2兆円)にも上っている。朱氏は「我が社は炭水化物摂取低減の栄養指導サービスを低炭水化物主食商品に変えたにすぎない」と述べた。
低炭水化物主食商品には開発の難しさがともなう。糖友飽飽は設立当初に、江南大学食品学院と共同開発センターを立ち上げた。現在は北京協和医院と戦略提携を結び、低炭水化物食品の摂取を勧める栄養指導プロジェクトを実施している。一部の糖尿病患者をターゲット層とし、糖友飽飽の製品をベースに1対1での栄養指導サービスを提供している。研究成果をまとめ、実際のサービスにおいても利用している。
糖友飽飽は現在、人気ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」、ショート動画アプリ「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」、ショート動画プラットフォーム「快手(Kuaishou、グローバル版は「Kwai」)」でコンテンツを発信している。同社の商品は主にオンラインで販売されており、今後はオフラインでの販売ルートも開拓する計画だ。
創業者の朱水旺氏はIT関連のシリアルアントレプレナーで、これまで立ち上げたプロジェクトは「騰訊投資(Tencent Investment)」「微影資本(現在は惟一資本、We Capital)」「梅花創投(Plum Ventures)」など業界内部の大手ベンチャーキャピタルから数千万元(約数億円)を調達している。その他の開発メンバーも製品開発、EC運営、マーケティングなどの就業経験を持つ。
清科集団の創業者兼董事長である倪正東氏は、糖尿病関連商品の消費規模は数億元(約数十億円)に上り、糖友飽飽がしっかりこのチャンスをつかめば、業界のパイオニア、リーダーとなり得るとの考えを示した。
(翻訳:lumu)
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