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11月21日、動画配信サイトのビリビリ(Bilibili)が第3四半期の財務報告を発表した。当期の売上高は10億8000万元(約176億円)、前年同期比48%増と、市場予想を上回結った。2018年に黒字転換するとの予測もあったが、当期も2億5000万元の純損失で、純損失率は23%。昨年同期の純損失1500万元、純損失率2.0%からさらに悪化した。
財務報告の発表後、ビリビリ株の終値は6%近く下落した。しかし前日にアメリカ株式が大幅続落した中で同社株は4.41%上昇して13.6ドル(約1540円)を付けており、時価総額は37億9000ドルとなった。21.28ドルを付けた6月中旬のピーク期と比べると、同社株は半額近くに落ち込んだことになる。夏以降の中国関連株の全面的な下落が影響したことに加え、同社が中国国営放送・CCTVに名指しで批判されたこと、さらに当局が動画配信サイトに対して規制強化に乗り出したことが影響したとみられる。
同社のZ世代ユーザーは夏に活動的になる。そのため、第3四半期の月間アクティブユーザーは9270万人、モバイル版の月間アクティブユーザーは8000万人と、それぞれ25%と33%増加した。課金ユーザーも前年同期比202%増の350万人となり、過去最高を記録。ユーザー1日当たり平均使用時間も前期の75分から85分に延びた。
とはいえ過去の四半期と比べると、伸び率は鈍化している。第3四半期中にコンテンツが問題視されてアプリストアから1カ月間姿を消したことが響いた一方で、再びレッドラインを越えることがないようにチェック体制を強化するための行政対応や開発に対する支出も増加した。
単一事業に依存した収益体制からの脱却を目指して、同社は事業の多様化を図る一方、稼ぎ頭のゲーム事業の安定性を外部に向けてアピールしようとしている。
ゲーム事業の第3四半期の売上高は7億4000万元、前年同期比24%増。増加のスピードは落ちているものの、前四半期には日本の「Fate / Grand Order」のライセンス更新手続きが完了し、安定した収入源を確保した。かつて収入全体の6割近くを占めていたタイトルだ。
その「Fate GO」にも製品サイクルやライセンスに関わる制約があるので、新たなゲームをリリースすることが急務。しかし、当局がゲーム認可の審査を突然停止したことで、足踏み状態になっているゲームがいくつもある。
注目できるのは、同社のゲーム事業が売上に占める割合が、第1、第2四半期と比べて低下している点だ。董事長の陳睿氏は、広告事業やライブ配信事業の今後の売り上げ増加に期待を寄せている。ライブ配信事業の第3四半期の売上は292%増となっており、課金ユーザーも大幅に増加した。コンテンツに関しては、コストがかかる著作権問題を回避して、低コストのドキュメンタリーや自社製コンテンツを中心に展開している。広告事業の売り上げも昨年同期比179%増の1億4000万元と好調だ。
10月、テンセントはビリビリに3億1760万ドルを投資することに合意した。両社の戦略提携は主に著作権、投資、ゲーム運営の3分野で、それぞれの強みを生かして事業を拡大する。上場後、資金に余裕がでたビリビリは積極的に投資も行った。9月に中国語ボーカロイドを所有する会社の親会社にあたる「香港澤立仕(Zenith)」に追加出資したのに続き、10月にはeスポーツ事業に携わる関連会社も設立した。
(翻訳・畠中裕子)
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