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倉庫内のロボットを開発する「炬星科技(SyriusRobotics)」が7月にエンジェルラウンドで1000万元(約1億6000万円)近くを調達したことが分かった。リードインベスターは「明勢資本(FutureCap)」。現在はシリーズPre-Aでの調達にかかっており、調達した資金はスタッフ増員や研究開発、業務拡大に充てる。
2021年までに、世界の物流ロボットのソフトウェア・ハードウェアの総売上高は約1000億ドル(約11兆円)に達し、EC業界では5万から10万台規模の物流ロボットのニーズが生まれると予想されている。
炬星科技は大手EC企業をターゲットとし、すでに京東(JD.com)の倉庫2カ所で試験運用を始めている。同社は競合他社とは異なり、AGV(無人搬送車)ではなくAMR(自律移動ロボット)を開発している。
AGVとAMRの大きな違いは、前者が規定のルートに沿って走行するだけなのに対して、後者は変化する周囲の状況に合わせてフレキシブルに走行ルートを調整できることだ。またAMRを導入する場合は、倉庫を改修する必要もなく、すぐに運用することができる。このため、AMRには以下のようなメリットがある。
・業務プロセスを改善して効率アップ
従来のEC物流のプロセスは、複数オーダーをまとめてピッキングしてから、出荷先ごとに仕分けするというトータルピッキング方式が主流だ。AMRを導入すればオーダーごとにピッキングし、複数オーダーをまとめて出荷することが可能になる。二重に仕分けする手間を省けて、ミスも減らせる。炬星科技の蒋超CEOは、AMR1台で5-8人分の仕事をこなせると語る。
・倉庫の改修工事が不要でコスト削減
蒋超氏によると、1万平米の倉庫にAGVを導入するためには約500万元の倉庫改修コストがかかるが、AMRを導入するためには倉庫の設計図1枚があればいい、という。またAMRは自動でルートを変更できるので、台数の増減に即座に対応できる。
蒋超氏の考えでは、優れたアルゴリズムがセンサーの不十分さを補うことができ、コスト削減につながるとのこと。一般的な物流ロボットは中央制御システムで集中管理されるが、炬星科技のロボットではより柔軟な分散処理を採用し、処理されたデータをロボット間で共有できる分散型データベースを構築することで、高い作業効率を実現した。
炬星科技のロボットはまだ量産には至っていないが、中国国内では京東とフォークリフトメーカーの2社、国外では日本のSI企業1社との提携が決まっている。
炬星科技の強みは、高性能センサーではなくアルゴリズムだ。AGVからAMRへのシフトが進む物流ロボット業界で、炬星科技が一歩リードしているところに明勢資本は注目している。(翻訳・畠中裕子)
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