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IKEAを運営する「Ingka」グループは、12月6日、ショッピングモールとオフィス、ホテルで構成される商業施設「薈聚中心(LIVAT Centres)」を上海に建設すると発表した。投資総額80億人民元(約1321億円)、総面積は43万平方メートル超、ショッピングモールとオフィスビル5棟からなる大規模施設だ。
上海LIVATは2022年に開業する予定。ショッピングエリアは面積12万平方メートル、店舗数300軒以上でIKEAも主力店舗として出店する。
ショッピングモール以外に、Ingkaグループとしては初の大型オフィスも併せ持つ。オフィスビルは6万平方メートル、うち3棟はIKEAのオフィス、2棟は外部企業にリースする。
2017年6月北京で行われたIKEA国際取締役会では、中国で投資を加速することが重要な議題となった。2030年までにIKEA店舗を90-100店舗、LIVAT Centresを15か所で開業することが目標だ。
現在までに北京、無錫、武漢の3か所にLIVAT Centresを開業しており、投資総額は100億人民元(約1650億円)を超えている。さらに長沙、上海、西安のプロジェクトが決定しており、これらの投資総額は160億元(約2640億円)だ。
同時に、IKEAは史上最大規模の戦略転換を図ろうとしている。
11月22日、Ingkaグループは変革を加速するため、今後2年以内に中国を含む全世界で7500の業務を廃止すると発表した。一方で新戦略を推進するため、主にEコマース、物流ネットワークと都心部出店に関して1万1500の業務を新設する。
11月28日にIngkaグループが発表した2018年度の業績では、売上総額約5%増に対して純利益は昨年比約40%減の14億7千万ユーロ(約1880億円)と、増収減益となっている。純利益の減少は主に投資によるもので、同年度では物流センター14か所の新設など28億ユーロ(約3600億円)を投資した。
IKEAショッピングセンター中国総裁の丁暉氏は「IKEAは長年に渡る非常にしっかりとした財務基盤を持つ企業だ。短期的な収益よりも発展する可能性がある市場に参入することを重視している」と語っている。
この10年、Eコマースが急速に発展する中、IKEAはオンラインに進出してこなかった。IKEAによればその原因は「製品ラインが複雑で、独自の配送システムやバックエンドシステムの構築に時間がかかったため」ということだ。
今年10月末、IKEAはついにオンラインショップをオープンした。中国149都市でネットショッピングが可能になり、WeChatミニプログラムもローンチした。
丁氏は「都心部への出店も新しい戦略の一つであり、商品形態も調整していく」としている。また、ここ最近はむしろ商業デベロッパーに近づいているという論評に対して、「IKEAはデベロッパーではない。我々の出発点はあくまでも小売りだ」と語った。
(翻訳・神江乃緒)
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