ノーコード開発「Treelab」が資金調達 企業の生産性向上を支援

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コードを書かずに生産性向上支援ツールを構築できるプラットフォーム「Treelab(企蘭科技)」が、シリーズAで1000万ドル(約11億6000万円)を調達した。出資したのはセコイア・キャピタル・チャイナ、GGV キャピタル、五源資本(5Y Capital)、明勢資本(FutureCap)で、穆棉資本(MM Capital)が単独で財務アドバイザーを担当した。TreelabはシリーズA以前に累計約1000万ドル(約11億6000万円)を調達している。

2019年に設立された同社は、ノーコードプラットフォームのサービスプロバイダーで、ノーコードあるいはローコードプラットフォームを基盤としたシステムツールやソリューションを提供し、顧客企業の経営のデジタル化を支援する。コアプロダクトはクラウドベースのコラボレーションプラットフォームで、企業内の各種リソースシステムを連携し、データタグを統一してデータの集積や詳細な分析を行う。

Treelabは、創業者の何俊泫(Ricky Ho)氏の個人的経験に着想した製品だ。家族経営規模の工場では、いまだにシステムごとに表計算ソフトExcelを使ってデータをまとめていることに気づき、何氏はより柔軟性の高いツールを自ら開発し始めた。これがTreelabのひな形となっている。

Treelabは上層のインターフェース部分はスプレッドシート形式、下層はデータベースで、顧客はドラッグ・アンド・ドロップで必要な業務システムを構築できるようになっている。管理者は利用するスタッフの役職別に段単位や行単位でアクセス権限を設定できる。Treelabは可視化されたデータプラットフォームであり、顧客企業の内外にまたがる業務データを連携・流通させ、コストを削減し業務効率を向上させるものだ。こうした「ノーコードの生産性向上支援ツール」の典型例としては、2012年に設立された「Airtable」が挙げられる。

2019年から現在まで、Treelabは急速にアップデートを繰り返し、現在では主にプロジェクト進行管理、Eコマースの運営管理、調達管理が行えるようになっている。

何氏によると、前回の資金調達後、Treelabはより事業化が進んだ。事業化が進むと、ターゲット層もより明確になったという。現在は運営を重視し、協働の必要性が高く、オンラインとオフラインのサプライチェーンを連携させる必要のあるEコマース、小売りなどの業種をターゲットにしているという。

出典:Treelab

今回の資金調達後、Treelabはエコシステムの構築を強化する。何氏によると、これからテンセントのビジネスコラボレーションツール「企業微信(WeChat Work)」と提携し、法人顧客が社内外とコミュニケーションをとる支援をしていく。

Treelabがターゲットとする運営重視のオンライン・オフライン連動型企業は、業務シナリオが細切れで複雑に入り組んでいる。ITフレームワークにおけるノーコードツールの位置づけについて、中核システムとなるのはERP(企業資源計画)だと何氏は考える。ERPは財務の流れを基に設計され、比較的標準化されたものだが、実際の企業の運営現場はそれぞれ異なるため、これらに対応するソフトウェアはSRM(サプライヤー関係管理)、SCM(サプライチェーン管理)、PLM(製品ライフサイクル管理)、MES(製造実行システム)など多岐にわたるのが現状だ。ノーコードツールはより柔軟性に富んだエンジンが基盤にあり、それぞれの業務によりフィットさせられるのが将来的に強みになってくるだろう。

Treelabは昨年、さらなる事業化に注力してきた。現段階では、スマートフォン・IoT機器大手シャオミ(Xiaomi)、不動産開発の緑地集団(Greenland Group)、スイス食品大手ネスレ、仏スポーツ用品メーカーデカトロンなど重要顧客との協業に重点を置いている。
(翻訳・愛玉)

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