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WeChatを追いかける百度(バイドゥ)の「ミニプログラム」が急進的な戦略を打ち出した。 百度の広告コンポーネントを組み込んだミニプログラムに90%のコミッションを提供するというのだ。 対するWeChatのミニプログラム広告のコミッションは50%から70%である。
2018年7月にリリースされた百度ミニプログラムの月間アクティブユーザーがすでに1億5000万人を超えた。しかし、先行するWeChatミニプログラムの月間アクティブユーザーは今年第1四半期に4億人を超えている。
最近、百度はミニプログラム発表後初となる公開講座を開催した。このイベントでは、同社などが主催する一連のサロン、チュートリアルや個別指導などを含む開発者サポートポリシーが発表された。同社はこのプログラムに10億元(約160億円)を投資する。
同社はこのイベントで、WeChatミニプログラムをバイドゥミニプログラムに変換する方法を紹介した。これは開発者にとって非常に便利。アリババなども同様の戦略を採っている。
では、ミニプログラムの開発者にとって、WeChatや人気ニュースアプリ「頭条(Toutiao)」、ショート動画「TikTok」などと比較して、百度ミニプログラムにはどのようなメリットがあるのだろうか。
百度副総裁の沈抖(Shen Dou)氏は「常にユーザーのニーズを出発点としている。例えば、見ている動画の中に欲しい服があったとして、動画アプリを中断して他のショッピングアプリを開いてそれを探す…というのでは、ユーザーエクスペリエンスを分断してしまう。検索から様々なシナリオにつなげられるのが百度の利点だ」と語る。
同社は12月20日、パートナー企業12社とのオープンソースアライアンスを発表した。開発者は同社のプラットフォームに製品をアップすると、その後アライアンス内の全アプリへのアクセスを申請することができる。アライアンスには現在、旅行サイト「Ctrip」、動画共有サイト「bilibili」「愛奇藝(iQiyi)」、動画共有アプリ「快手(Kwai)」などが参加している。
百度のオープンソース戦略は驚くべきことではない。同社でDAU(一日当たりアクティブユーザー)が1億人を超えるスーパーアプリはモバイルバイドゥとiQiyiだけで、スケジュール管理の「AT」や「頭条」などの人気アプリと戦うためにはもっと多くのリソースが必要だからだ。同社は、オープンソース化によって1000億のトラフィック獲得を目指している。
一方、より実利的な戦略が前述した広告コミッションだ。百度の広告コンポーネントを自社のミニプログラムに組み込んだ場合、90%の広告コミッションが支払われる。
百度アプリの総経理・平暁黎(Ping XiaoLi)氏は「2019年、ミニプログラムの広告は100億元(約1600億円)規模に達する」と予測している。
WeChatの後発である百度とAlipay(支付宝)のミニプログラム戦略は、いずれもマネタイズに力点を置いたものとなっている。 WeChatミニプログラムの初期段階と比べて、より実用的かつ即時的だ。
百度はトラフィックで開発者を惹きつけようとしている。このトラフィック増がミニプログラムだけではなく、百度全体の成長を促すかどうかを検証するには、まだ時間が必要だ。
(翻訳・神江乃緒)
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