5割の事務処理をAIが担う時代到来。業務自動化ロボ開発の「DATA GRAND」が110億円調達

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AIによるテキストデータ処理サービスを提供する「達観数拠(DATA GRAND)」が、シリーズCで5億8000万元(約110億円)を調達した。出資者は「中信証券(CITIC Securities)」、「招商証券(China Merchants Securities)」、「広発証券(GF Securities)」、「中信建投証券(CSC Financial)」、「深創投(Shenzhen Capital Group)」、「聯想之星(Legend Star)」など。

達観数拠は2015年設立で、NLP(神経言語プログラミング)と定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)技術を活用して各種中国製OSに対応した事務ロボットを初めて開発した。

陳運文CEOは、日常業務は大体3種類に分けられると説明する。決算書の照合のような簡単で機械的に反復する業務、目論見書の審査のような一定のロジックと知識を伴い相対的に複雑な業務、公文書作成のように難易度のより高い文書作成の業務だ。

簡単な流れ作業はRPAが模倣し、より複雑な業務はNLP技術を活用する。RPAを人の手とするとNLPはAIで分析する脳にあたり、ロボットは手と脳を組み合わせて利用することで専門的、複雑な業務をこなす。

達観数拠提供

NLPとRPAを活用したデジタルツールは、人に比べ二つの強みがある。一つ目は高い正確性と安定性で、技術力、経験、モチベーションなどの制約により、人が持続的かつ安定的に高い水準で仕事を続けられない部分を埋める。二つ目は、デジタルツールは絶えず訓練を重ねて業務遂行能力を強化できることだ。サンプルデータが多いほど、デジタルツールも業務遂行能力を向上できる。

将来的に人はより高いレベルの意思決定を担い、枝葉末節の仕事はデジタルツールが行うようになるだろう。例えば、報告書作成では人がアウトラインを書けばデジタルツールが自動で続きを作成する。さらには、ドキュメントのチェックでは人は重要な部分だけを確認し、大量の細部に関するチェックはデジタルツールが行うようになる。

達観数拠の強みは多くの「唯一」であることだ。例えば、テキストへのタグ付け訓練プラットフォームを持つ業界で唯一の汎用ソフトウェアであり、唯一の自社開発したOCR(光学文字認識)モジュールであり、マイクロソフト.NET Frameworkを使用しない完全に独立した知的所有権を保有する唯一のRPAプロダクトで、クロスプラットフォームで複雑な問題を解決できる点などだ。

同社は過去数年間、北京大学や復旦大学など中国のトップクラスの教育機関と提携してラボラトリーや課題攻略チームを立ち上げ、技術の理論研究も進めている。これは学術界の自然言語処理技術の進歩とほぼ足並みを合わせたもので、中国語でのプレトレーニングモデル、機械学習モデルの開発はニューラルネットワーク(神経網)技術を新たな段階に引き上げた。

このほか、自社開発したOCR技術は人の目に相当し、文字の資料をコンピュータが読めるデータに変換する。ドキュメント、領収書、識別コードのスキャンなど画像形式のデータに対しては、OCRとNLPを合わせて活用することで複雑な表も構造的に識別、理解する。

達観数拠は金融、製造業、マスコミ、物流、エネルギー、小売り、行政、医薬などの業界で利用されている。アルゴリズムをさまざまな業界に適応させて業界への理解を強化するため、達観数拠は業界のナレッジグラフを構築した。

陳CEOは、10年以内に50%の日常のテキスト処理業務はコンピュータが行うようになるとの見方を示している。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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