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コンドーム製造の「鹿口」は昨年に二回資金を調達した。4月には黄健邦氏や「珂玺資本(Kexi Capital)」、「東文控股(Dongwen Holding)」、「千盈資本(QianYing Capital)」から数百万元(数億円)を、次いで7月にはシリーズPre-Aで数百万元(数千万円)を調達した。
鹿口のコンドームは雑菌の発生を抑制する点が特徴だ。避妊や後天性免疫不全症候群を予防するほか、大腸菌やカンジダ属菌といった婦人科系疾病の菌を抑える。一方、乳酸菌やビフィズス菌など膣内のphバランスを保つために有用な菌には影響を与えないという。
王氏によると、2017年8月に発売して以来、同製品は500万元(約8,000万円)を売り上げたという。3万人のユーザーうち、再購入率は30%、その半数以上が1995年以降生まれの若者で、さらにそのうち約30%にローションと組み合わせるニーズがあったとのこと。鹿口は、そこで、同社はコンドームを使っていない層にもローション需要があると判断。研究開発の結果、新製品「鹿口潤滑液」を生み出した。
「鹿口潤滑液」の開発理念について、王氏は「治すよりも予防」という考えを強調した。王氏は、コンドームよりも女性のデリケートゾーンケアや婦人科系疾病予防に関わる製品の市場に拡大余地が大きいとの見通しを示し、引き続き新製品の開発に当たる方針だ。
「鹿口潤滑液」は、同社の既存製品に改良を加えた。原材料の配合を最適化し、女性の体内に侵入した細菌をグルコサミンを使って抑える。ユーザー1,000人への調査に基づき、無臭を最大のセールスポイントとした。
王氏は、ローションの開発には技術的な障壁はなく、ブランドと拡散スピードが重要だとする。ブランド構築については、国内外のコンドームブランドが薄さを強調するなど男性視点であるのに対して、鹿口は女性の立場に立つと述べた。
たしかに、今やこうした製品市場で女性消費者の存在感はかなり高まっている。鹿口でも利用者の約半数を女性が占めるという。、日本の「オカモト」もここ数年、ヒアルロン酸やノンシリコンオイルといった原料を使った女性向け製品の開発に取り組んでいる。
同社は、「鹿口潤滑液」で食品グレードの分子を複合することにより雑菌抑制率99,9%を達成。ローションの消毒効能に関する国家衛生和計画生育委員会の認証も取得した。新製品は2018年12月からECサイトや提携ホテルなどで99元(約1600円)で販売されている。
マーケティングについて、王氏は「コンドームは、国家が指定する、いわゆる『二類医療機器』の対象であるため、販売ルート上の制限が多い」と吐露。また、製品の性格上大掛かりに広告宣伝しにくい点も指摘した。一方、ローションは使い方は各人の自由なので、ネット販売でヒットする可能性と期待を示した。競合製品から乗り替わって来たコンドームユーザーの存在も、ローションの販売促進を後押しするとみている。
(翻訳:林森)
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