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アリババ系フィンテック企業「アント・グループ(螞蟻集団)」の完全子会社でデジタル銀行事業を手掛ける「ANEXTバンク(星熠数字銀行)」が6月6日、シンガポールでの事業を開始したと発表した。アントによると、シンガポールでのデジタル銀行開業は、同社の国際事業を東南アジアで強化するための重要なステップだという。
アントは2022年に入り、東南アジアでの動きを活発化させている。3月末には「東南アジア地区総経理」という役職を新設。4月初めには同社の国際事業「Alipay+(アリペイプラス)」を新たに4カ国で展開し、7万店以上のパートナーショップを追加した。また、同月には東南アジアで勢力を伸ばす決済プラットフォーム「2C2P」に戦略出資し、筆頭株主となった。
アントの上場計画が2020年に中断されて以降、その経営状況は常に注目を集めてきた。「中信証券(CITIC Securities)」は、アリババ集団の決算報告をもとに、アントの実質的な営業利益は21年10〜12月期と通期のいずれもが前年同期比で減少すると推算している。
アントが改めて国際事業を強化し、東南アジア市場に注力しているのは、中国では現金決済がほとんどなくなり、電子決済が飽和状態に近づいているため、新市場の開拓が急務となっているからだとの分析も示されている。
東南アジアは現金決済から電子決済への移行期にあり、市場も広大だ。米グーグルなどの予測によると、東南アジアの電子決済市場の決済総額は2021年に7070億ドル(約92兆円)、25年には1兆1690億ドル(約152兆円)に拡大する見通しだという。
(36Kr Japan編集部)
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