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【新華社北京6月16日】中国パソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)が14日、ハンガリーに設立した工場が正式に稼働したと明らかにした。ブダペスト近くのユローで生産を始めた工場は、レノボにとって欧州初の自社生産拠点となる。同社の「一帯一路」沿線での最新の布石となった。
ハイエンドPCワークステーション、サーバーインフラ、メモリシステムを生産し、主に欧州・中東・アフリカ(EMEA)の顧客に販売する。レノボ海外最大の製造工場の一つで、敷地面積は約5万平方メートル。1日当たり千台以上のサーバーと4千のワークステーションを生産する能力をもち、ワークステーションのカスタム製造にも対応する。
コンサルティング会社のインフォメーション・サービシズ・グループ(ISG)のデータによると、欧州の今年第1四半期(1~3月)のクラウドサービス市場需要は過去最高を更新し、運用・保守サービスも増加基調が続いた。米調査会社IDCも、EMEA地域のIT・商用サービス市場の2022年の予想成長率を2.2ポイント引き上げている。レノボは21年第4四半期(10~12月)、同地域へのx86サーバーの出荷台数で3位にランクインした。業績が伸長する一方、ますます増える市場需要に対応するため生産能力を増やす必要にも迫られた。
レノボが欧州初の自社工場をハンガリーに置いたのは、ハンガリーが欧州中部の拠点的な存在で、EMEA市場の需要に即応し、現地生産を実現、物流コストを引き下げることができるからだ。経済・貿易面での両国の結びつきの強まりも、ユロー工場の建設に良好な投資環境を提供した。
中国からは、湖南省長沙、陝西省西安、四川省成都など9都市から欧州へと向かう国際定期貨物列車「中欧班列」が運行し、いずれもハンガリーを経由して欧州市場に貨物を運ぶ。中欧班列と欧州鉄道網の交通ハブとしてのハンガリーの重要性はますます高まっている。レノボは21年、中欧班列を通じ「一帯一路」沿線諸国にコンテナ3200個分の貨物を輸出、輸出量が720万点を超え、中欧班列による輸出額の3%近くを占めた。
ユロー工場はレノボの「一帯一路」沿線での事業強化の重要な一環となる。同社は同工場の設立について、サプライチェーンのバランスの取れた配置を進めていることの表れでもあるとした。
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