オンライン教育大手「滬江教育科技」が上場中止か、1000人をリストラとの情報も

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中国のオンライン教育大手「滬江教育科技(Hujiang Education & Technology/以下、滬江)」が香港市場への上場を中止し、大規模な人員削減を行っているとの情報が流れている。その内容は「幹部やスーパーバイザー、マーケティング部人員を含む従業員の95%がリストラされ、講師全員が離職した」というものだ。滬江はこの噂を「事実と異なる」と否定しているが、一部の赤字事業については再編や統合を進めていると認めた。

上場審査からの進展が頓挫

しかし、36Krが滬江の関係者に取材したところ、実際は1000人ほどの従業員がリストラの対象になったとの証言を得た。経済ニュースメディア「華爾街見聞(wallstreetcn.com)」の報道では、滬江の従業員数は昨年時点で2400人前後だったという。

また、経済ニュースメディア「格隆滙(gelonghui.com)」によると、滬江はこれまで複数回に及ぶ資金調達の過程で業績補償協議(VAM)を締結しているという。その補償条項として、2018年中に上場を果たせない場合は、出資者が保有する同社株を買い戻すと定めており、その買い戻し価格は、当時の販売額に年利10%を加えた複利計算で算出する取り決めがあったとのことだ。

滬江は2018年7月、香港証券取引所にIPO目論見書を提出。同11月下旬に上場審査を終えているが、それ以降の上場スケジュールは発表されていない。同年に香港へ上場した他企業の例を見ると、いずれも審査完了から1カ月ほどで上場を果たしている。同社の評価額が過度に高く、ロードショーが不振に終わったほか、市場の反応も予想に反して芳しくなかったことが上場を阻む要素になった。

IPO目論見書によると、同社の2015年~2017年の損失額はそれぞれ2億8000万元(約46億円)、4億2200万元(約70億円)、5億3700万元(約89億円)と徐々に拡大していることがわかる。滬江は資金調達を成功させるために既に組織改革を行い、幹部クラスの報酬を20~50%引き下げるとともに、CTOや総裁、副総裁を解任している。

ただ、こうした人員調整だけでは同社の上場は叶わない。事業改革は必須となるだろう。

CCtalk事業で起死回生は図れるか

滬江は当初、オンライン外国語教育サービス「滬江網校」を単独で上場させる計画だった。そのため、同じく傘下にある「CCtalk」は分割されるとみられていた。CCtalkは、外部教育機関や講師が授業を行う総合的なオンライン学習プラットフォームだ。

滬江の収益源はもともと、オリジナルカリキュラムによる授業に集中している。収益源が多角化されていないため、売り上げが伸び悩む中、事業の主軸を教育サービス提供に置くCCtalkの持つ可能性に期待が寄せられるようになった。現在では、CCtalkは上場に向けたエクイティストーリーの一部に組み込まれている。

実際にCCtalkで講義を持つ講師によると、大手プラットフォームと比較しても、CCtalkのシステムやライブ配信機能は優れているという。一方で、2018年1~8月、CCtalkの売上高は409万元(約6800万円)で、いまだ赤字を脱していない。授業の質低下や講師の流出も不評につながっている。

CCtalkはプラットフォーム運営とコンテンツ制作を分離している。結果、運営側からは講義内容を適切に管理できず、各講義の質にバラつきが出ている。また、技術面や運営面でのコストが高い。提携する教育機関の成長速度や独自化のニーズに対応できず、人気講師が受講者とともに離脱する可能性も非常に高い。さらに、バイドゥやテンセントなどの超大手企業が運営する学習プラットフォームとも競争していかなければならない。

高止まりするマーケティングコスト

CCtalkはまだ基盤固めの段階にあり、厳しい競争が続く業界の中で、当然のことながらマーケティングにも大きく投資し、顧客を獲得していかなければならない。

滬江と同じオンライン教育分野で、月内にも香港へ上場すると言われる「新東方在線(koolearn)」と比較してみると、両社の2017年の売上原価は、新東方が1億4300万元(約24億円)なのに対し、滬江は2億2300万元(約37億円)に上る。販売促進費に至っては、滬江が5億8900万元(約98億円)と、新東方の4.5倍にも上る。

滬江はオンライン教育機関とは言え、その運営モデルは従来型のオフライン機関のものに近い。質の高い授業をつくり、予算を投じてそれを宣伝し、多くの顧客を呼び込んで、高い授業料を徴収するというやり方だ。これは、半径5キロ以内の競争相手と戦うには有効かもしれないが、オンラインでは通用しない。同等の授業水準でも、より授業料の安いプラットフォームがいくらでも現れる。

これまで大胆な投資戦略でさまざまな教育プラットフォームを買収し成長を続けてきた滬江だが、いささか事業を拡大させすぎた感も否めない。外国語学習サービスとして出発し、他分野の経験も少ない滬江にとって、今やるべきことはコンバージョンレートの改善だろう。マーケティング戦略だけでは遠く問題解決には及ばない。
(翻訳・愛玉)

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