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中国新エネルギー車(NEV)大手のBYD(比亜迪)は7月21日、日本乗用車市場への正式参入を発表した。これに伴い、同社の日本法人であるBYDジャパンは、日本国内における乗用車の販売ならびに関連サービスを提供する100%出資子会社としてBYD Auto Japan株式会社を設立した。
BYD Auto Japanは2023年1月より順次、最新のEV3車種を日本市場に投入する予定。それぞれミドルサイズのe-SUV「ATTO3」、コンパクトサイズのe-Compact「DOLPHIN」、BYD最新技術を結集したハイエンドのe-Sedan「SEAL」で、日本の幅広いユーザー層のニーズに対応していく。
今後、販売代理店を通じて乗用車の販売とアフターサービスを日本の消費者に提供する方針だ。また、2025年には日本全国に100拠点を持つディーラー網を展開すること目指す。
バッテリーメーカーとして1995年に創業したBYDは、現在世界最大手の自動車メーカーの一つとなっている。乗用車のほか、EVバス、EVトラックなど豊富な製品ラインナップを抱えており、世界70以上の国と地域で事業を展開している。今年上半期、BYDの販売台数は64万台を超え、米テスラを上回って過去最高となり、中国NEV業界の勢いの強さを示した。
BYDの日本法人として2005年に設立されたBYDジャパンは、国内ではEVバスやEVフォークリフトなどを中心に事業を展開している。15年に、中国自動車メーカーとしてはじめて日本にEVバスを納入。日本自動車販売協会連合会のデータによると、日本EVバスシェアの約7割をBYD社の製品が占めている。
日本の乗用車市場に参入するきっかけについて、BYDジャパンの劉学亮代表取締役社長は以下のように述べる。
「BYDジャパンは長年かけて日本市場で商用車をメインに業務を展開してきたが、近年日本ユーザーの乗用車に対するニーズも確実に感じていた。また、日本政府も2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、35年までに国内新車販売で電動車を100%とするとしていることから、日本市場の高い成長力が見込まれる」
一方、トヨタ自動車など多くの強力な日本の競合他社に関して、「日本のEV産業はまだ成熟しておらず、競争するのではなく我々自動車メーカーが力を合わせて業界を盛り上げていくべきだ。BYDとしては、日本における商用車分野で蓄積したノウハウを生かして、一般消費者向けにBYDのブランド力を高めるとともに、最適なEV体験を日本ユーザーにもお届けしたい」と語る。
(36Kr Japan編集部)
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