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中国の大手家電メーカー美的集団(Midea Group)が8月30日、2022年1〜6月期の決算を発表した。売上高は前年同期比5.04%増の1836億6300万元(約3兆8000億円)で、親会社に帰属する当期純利益は同6.57%増の159億9500万元(約3300億円)だった。
1〜6月期もコロナ禍などさまざまな要素が影響し、サプライチェーン川上で主要原材料となる銅やアルミニウムなどの高値が続く関係で、中国製家電は輸出規模も国内販売規模も縮小した。国内最大手の美的も需要・コストの両面からプレッシャーを受け、1〜6月期の売上高の伸びが顕著に鈍ったものの、製品価格を引き上げたことでコスト高を部分的に転嫁できたため、利益の伸びは比較的安定している。
美的の事業はスマートホーム、工業テクノロジー、ビルテクノロジー、ロボティクス・オートメーション、デジタルイノベーションの5つに分かれる。主力のスマートホーム事業は主に一般消費者向けに展開するが、その他の事業は主に法人向けだ。1〜6月期の業績をみると、新規事業が力強い成長をみせており、売上高の成長率もスマートホーム事業を明らかに上回っている。
事業別にみると、スマートホーム事業の売上高は前年同期比3.48%増の1259億元(約2兆6000億円)。高級家電ブランドのCOLMOや傘下の東芝ブランドが好調で、売上高はそれぞれ前年同期比150%増の40億元(約830億円)、同110%増の11億元(約230億円)だった。美的集団の家電製品は家庭用エアコン、電子レンジ、オーブンレンジ、扇風機、電気ヒーター、電磁調理器、電気ポットの7カテゴリーがオンライン市場、オフライン市場ともに国内シェア1位だった。
スマートホーム事業以外の法人向け4事業は売上高が前年同期比約18%増の420億元(約8700億円)に迫り、企業成長の新たな牽引力となっている。うち、ビルテクノロジー事業の売上高は33.09%増の122億元(約2500億円)。セントラル空調機器の出荷額が国内メーカー1位、ヒートポンプの輸出額が200%成長だったことで高成長を維持した。
ロボティクス・オートメーション事業の売上高は前年同期比2.15%増の122億元(約2500億円)。コロナ禍が影響し、川下の製造業で産業用ロボットへの需要が短期的に鈍り、半導体チップの供給不足や原材料価格の高騰なども重なったことから、受注が滞って事業の伸びにも影響した。
販路に関しては引き続き新たなチャネルを重視し、ネット通販経由の販売が45%以上を占めた。1〜6月期のネット通販による販売額は440億元(約9100億円)だった。
中国国内と海外それぞれの売上高はいずれも約5%増の1048億2000万元(約2兆1700億円)、778億4000万元(約1兆6100億円)だった。グループ全体の売上総利益率は23.12%で、前年同期とほぼ同じだった。
(翻訳・山下にか)
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