シェアサイクルブームの終焉 生き残りをかけて各社が一斉値上げ

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4月8日、シェアサイクル大手の「哈囉出行 (Hello TransTech)」が4月15日より北京市内で新たな料金体制を実施すると発表した。1元(約16円)で走行できる時間がこれまでの30分から15分に短縮される。これより前に、「摩拝単車(Mobike)」やライドシェア大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」が運営する「小藍単車(Bluegogo)」も相次いで料金を値上げし、15分1元に料金改定した。現在までのところ、「ofo」は値上げを発表しておらず、従来の60分1元の価格を維持している。

摩拝単車(現美団単車)などの運営方式からすると、値上げの目的は健全かつ持続的な運営を維持することだ。多くのシェアサイクル企業が激しい競争を繰り広げていた時期、割引や無料サービス、大規模な自転車の投入など、シェアサイクル分野は買い手市場だった。しかし資本の投下が理性的になり、競争の構図がよりはっきりして、シェアサイクルをビジネスとして運営するようになると、当然これまでの売り手と買い手の間の利益関係にも微妙な変化が生じる。

料金の値上げはその第一歩に過ぎない。かつて巨額が投入され市民の便利な足となったシェアサイクルモデルは今後も生き続けられるのか?

2017年はシェアサービスが最も人気を博した一年だった。データ会社「IT桔子」によると、「外出」関連分野において、2017年の投資案件は過去4年間で最も多く、資金調達規模は452億元(約7500億円)だった。周期性を除いて考えると、2019年の同分野における投資および資金調達の規模は例年よりも低くなると見られている。

データ出典元:IT桔子

積極的な資本投入がなされたのはわずか2年足らずで、その後は業界に経営難の嵐が押し寄せた。2017年から2018年にかけて「酷騎単車(Kuqi Bike)」や「悟空単車(Wukong Bike)」が相次いで倒産し、摩拝はデリバリー大手「美団(Meituan)」の主導による買収で救われたが、後に美団に大きな損失を負わせた。ofoは外部環境と規模の判断を誤り、キャッシュフローが厳しくなり、経営破たんが現実味を帯びてきている。

競争の構図がまだ明確でなかったころは、安い利用料が集客手段の一つだった。先に人を集めて利益は後で追及するというモデルはデリバリー業界がすでに通ってきた道だった。しかし、多くのO2Oモデルとは異なり、シェアサイクルは自転車の生産に大きなコストがかかる。特に競争が激しかった時期は、大規模な自転車の投入や割引、人為的な損害が深刻なリソースの浪費につながった。

自転車の墓場(写真提供元:東方IC)

去年11月、美団の王慧文副総裁は、独占的な状況を作り出せなければ、シェアサイクルで利益を上げることは難しいとの見解を示した。しかし、シェアサイクル各社の運営状況や収益という観点から見ると、同業界で大規模な合併は非常に難しく、業界を独占することなど夢のまた夢だ。

シェアサイクル企業にとって、本業から十分な収益を上げられないのならば、シェアサイクル業以外の収益モデルも試してみる価値があるだろう。例えば、ofoは自転車上の広告やApp上の動画広告、公式サイト上での広告掲載、またP2P企業との提携による保証金の運用、試験的な「ディスカウントモール」など様々な方法を試している。しかし、自転車本体は広告を掲載できる空間が限られているほか、シェアサイクルのApp画面に付随するディスカウントモールの入口に関しては、ユーザーのApp利用時間が短いため、シェアサイクル由来の購買はあまり期待できない。

この2年間でシェアサイクルは普及し、ほとんどのユーザーが使用方法に十分通じている。
料金の値上げを断行するならば、元々の価格面での優位性を失うことになるが、価格の設定は使用頻度の高いユーザー層を見極める上で役に立つ。中国産業研究院によると、通勤手段の一部としてシェアサイクルを利用するという人が全体の65%以上を占めており、この層に料金の値上げが与える影響はあまり大きくない。値上げ後も「使いたい時は使う」という雰囲気が見られる。

ユーザーとしては自転車の台数が多ければ多いほどよいが、企業にしてみれば1台当たりの自転車の稼働率が高いほど収益を上げることができる。また自転車の紛失や消耗も大きなコストとなってのしかかっている。摩拝単車の自転車は1台3000元(約5万円)前後で、メンテナンスに500元(約8300円)前後かかる。つまり企業にとっては、投入する自転車が多ければ多いほど良いというものではない。

採算の面から、また資本的な圧力の面から見ても、シェアサイクル企業は今後も自転車の生産と投入台数を減らして、使用料金を値上げする道を選ぶことになるだろう。それでも人々はシェアサイクルを利用し続けるだろうか?
(翻訳・虎野)

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