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生分解性材料・製品メーカー「紐維爾環保科技(Newwayer Environmental Protection Technology)」がこのほどシリーズAで3000万元(約6億円)を調達した。出資したのは国微集団(SMiT Group)。調達した資金は生分解性材料を用いたショッピングバッグや農業用マルチシートなどを量産するための生産ライン構築に充てる。
紐維爾は2017年に設立され、国内外の外食ブランドやスーパーマーケット向けにコーンスターチ由来の食器を提供している。生分解性材料および製品を年間6000トン以上生産できる生産力を持ち、生分解性材料メーカーとしては山西省で最大手だ。同社の製品は南米や日本などの海外市場でも販売されている。
創業者の馬志賓氏によると、2008年に中国で施行された「限塑令(レジ袋使用に関する規制)」が推進されたことや人々の環境保護意識の高まりによって、再利用しやすく再生可能な生物由来材料が急速に注目を集めるようになったという。中国以外の各国でも同様の政策が推進され、生分解性プラスチック市場は急成長段階に入った。
近年になって中国ではフードデリバリー市場が拡大したこともあり、使い捨て食器に対する需要も年を追って拡大している。データによると、2021年の生分解性プラスチック市場は189億元(約3900億円)規模にまで成長し、25年には500億元(約1兆400億円)を突破すると見られている。
フードデリバリー市場では使い捨ての椀や箸、ナイフやフォークなど生分解性材料の活用範囲が広いと馬氏は指摘する。環境に配慮したこれらの食器は主にデンプンやPBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)、PLA(ポリ乳酸)などを原料とし、中でもデンプン由来プラスチックは最も開発の歴史が長く、技術も最も成熟しており、産業化の規模も最も大きい。紐維爾はこれを用いた食器類で市場参入し、製品の性能とコストパフォーマンスを両立させている。
一般的な使い捨てプラスチック食器と比べ、紐維爾の製品は機能性や品質が高く耐水性、耐油性、耐熱・耐冷性に優れ、冷蔵庫保存や電子レンジ使用も問題ない。廃棄後は堆肥化(人為的に分解を促す方法)であれば90〜180日で二酸化炭素と水に分解され、土壌や空気を汚染することもない。
紐維爾は17年に最初の生産ラインを構築し、19年9月には技術的成果を活かして量産化を実現。飲食業者やスーパーマーケットなど、中核的な販路の開拓を進めた。これまでに実用新案権11件、意匠権6件を取得し、現在も特許2件を出願中だ。
現在提供している製品は仕切り付きランチボックス、日本風のスリム型フードコンテナ、スクエア型フードコンテナなど11シリーズで、SKU(最少管理単位)は200を超える。原料はトウモロコシ、キャッサバなど天然のデンプンやワラの超微粉末などで、長期的に使え、環境汚染の心配もない。
環境に配慮した紐維爾の食器は発売以来、多くの外食ブランドやスーパーマーケットの支持を得ている。馬氏によると、環境に優しい食器類に対する外食産業の需要は増え続けており、飲食業者からの売り上げは売上高全体の約65%を占めているという。
販路に関しては、OMO(オンラインとオフラインの融合)方式を採っている。オンラインではアリババなどのショッピングプラットフォームを通じて国内から国外までをカバー。オフラインでは代理店、展示会、直売などさまざまな方法で販売する。
今年は生産ラインを3本増設し、生産力は前年の倍近くなったという。来年には新たに生産ライン2本を増設し全面稼働させる予定だ。
生産規模が拡大し、インダストリアルチェーンの整備が進んだため、ハイエンド製品を中価格帯で販売できるようになった。馬氏によると、同社は17年から21年にかけて毎年180%を超えるペースで売上高を伸ばしており、今年は1億元(約20億円)以上を見込んでいるという。
(翻訳・山下にか)
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