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自動運転ソリューションの研究開発を手掛けている中国企業「福瑞泰克智能系統(Freetech Intelligent System)」がこのほど、シリーズBで1億ドル(約135億円)近くの資金を調達した。混沌投資(CHAOS INVESTMENT)が主導し、上海汽車傘下の恒旭資(HENGXU CAPITAL)、北汽産投(BAIC Capital)、TCL実業なども参加した。今回調達した資金は主にコア技術の確立、次世代製品の研究開発、サプライチェーンの最適化に使用し、自動運転の実用化を進めるという。
福瑞泰克は浙江省の杭州市と嘉興市桐郷、上海市に研究開発・テスト・生産の拠点を置き、最近成都市に3カ所目の研究開発センターを開設した。従業員は現在1200人を超えている。
同社はソフト・ハードが一体となったフルスタックのスマートドライビングソリューションを自社で開発する。カメラからミリ波レーダー、ドメインコントローラーまで全てを自社で開発、製造する中国では数少ない企業のひとつだ。提携しているメーカーは40社を超え、100車種以上に製品を提供する。今年は、第一汽車(FAW)、東風汽車(Dongfeng Motor)、長安汽車(Changan Automobile)、北京汽車集団(BAIC Group)、比亜迪(BYD)、領克(Lynk&Co)といった多くのメーカーの車両に100万セット以上が搭載される見込みだ。
自動車業界がスマート化へ向かうのは必然の流れだ。この数年で自動運転レベル2の運転支援機能が新車でほぼ標準装備となり、レベル2+や、さらに高度な自動運転システムも徐々に搭載されるようになってきた。
技術とソリューションのグレードアップのため、福瑞泰克はハードとソフトを連動させた「ODIN」ソリューションを開発した。異なるメーカー・車種・レベルの自動運転のニーズに対応するだけでなく、今後数年間のうちにさらに高度な自動運転機能の実現が可能になるという。
高度自動運転は自動車業界において競争の焦点になっている。米テスラ、小鵬汽車(Xpeng Motors)、理想汽車(Li Auto)、シャオミ(Xiaomi)など新興EV勢力が相次いで巨額の開発資金を投入、ファーウェイ、バイドゥ、独ボッシュなど業界トップグループの各企業も取り組みを強化している。
中国のスマートドライビングは機能面では業界の先頭を走っており、企業間で熾烈な競争が繰り広げられている。市場でこうした製品のコスト、性能、信頼性に対する要求がさらに高まるなか、福瑞泰克はオープンプラットフォームODINにより効率良く動作するシステムを作り上げ、より高度な自動運転へと発展させる道筋を示した。
ODINプラットフォームを基に開発した最新のドメインコントローラー「ADC20」は、中国製としていち早く量産が実現した自動走行・自動駐車機能一体型システムだ。高速NOA(Navigate on Autopilot)やHPA(ホームゾーンパーキングアシスト)、シャドーモード(運転中にセンサーが裏側でデータを収集する機能)などの機能を備え、複数のブランド、車種で搭載が決まっている。すでに量産されている高度自動運転の車両とは異なり、ADC20は高演算能力を過度に追求せず、比較的低い演算能力で高レベルの運転能力実現を目指す。
創業者の張林氏は、「自動運転は自動車のスマート化で最も重要なもののひとつで、2023年には高機能ドメインコントローラーによるソリューションが爆発的に拡大する可能性がある。ADC20はコンセプトからいち早く量産にまでこぎつけた。先発者優位を生かしていずれ大規模量産することになるだろう」と語る。
ODINプラットフォームはさらに2.0バージョンに進化しようとしている。高演算能力を持つドメインコントローラー「ADC X」と自社開発したセンサー「12V5R」、LiDARを組み合わせ、より高度な自動運転アルゴリズムを提供し、フルクローズドループシステム、データセキュリティ、データコンプライアンスとあわせて、高速道路、市街地、駐車場所、全てのシーンでワンストップのスマートドライビングを実現する。
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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