ソーシャルEC「小紅書」、 唐突な規約変更により1万人以上のKOLが資格取り消し

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ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」が、KOL(Key Opinion Leader)やブロガーなどのインフルエンサーとブランドをマッチングし、プロモーション活動の促進を図るプラットフォーム「ブランドパートナー・プラットフォーム」のインフルエンサー加入資格を大幅に変更した。突然のこの措置により、多くの加入者がプラットフォームから削除されている。

小紅書によると、今回対象となったKOLは約3000人とのことだが、同プラットフォームに所属する複数のKOLは、「削除されたKOLは1万人以上で、残留したKOLは約5000人だ」と話す。

同プラットフォームは2019年1月に立ち上げられた。利用者は、KOLやブロガーなど個人単位のブランドパートナーや彼らを束ねるMCN(マルチチャンネルネットワーク)、プロモーションにインフルエンサーを活用したいブランドの三者だ。運営開始約4カ月で加入しているブランドパートナーは1万人以上に達した。彼らは同プラットフォームを経由し、ブランドから広告活動を受注することで収入を得る。約5万人のフォロワーを持つあるKOLによると、今回の規約変更が生じる前、彼女と同じ規模のフォロワーを持つKOLの月収は約3万元(約48万円)だったという。

先月10日に発表された新規約では、以下の2点でKOLに対する要求を上げたため、一部のKOLは加入資格を満たさなくなり、資格を取り消されることになった。

1、ブランドパートナー加入条件の厳格化:1カ月以内にフォロワー数5000人以上、投稿表示回数1万回以上に達すること。以前の条件ではフォロワー数1000人以上、投稿表示回数1000回以上だった。

2、罰則制度の強化:評価制度を厳格に実行し、ブランドパートナーが裏で個人的に注文を受けたり、パートナー関係やデータにおける不正を働いたり、法律に反したりした場合、相応の処罰措置を講ずる。

変更後のブランドパートナー規約(資料提供:小紅書)

今回の唐突な規約変更について、創業者の瞿芳氏は、プラットフォームの秩序を守るための措置で、同プラットフォーム内に見られる違反行為を取り締まるためだとした。

小紅書の意図は、フォロワー数を水増しするブロガーや、個人でブランドとKOLのマッチングを行い、MCNと同様に仲介料を得ている一部のKOLを一掃することにある。これに対し、単純なアクセス回数とフォロワー数で足切りをすれば、これまで規約を順守してきた真面目なKOLも排除されることになるため、怒りの声が大きくなっている。

そして、小紅書は規約を更新すると同時に、これまでMCNと契約せず個人で活動していたKOLに、まず指定のMCNと契約を結ぶことを求めているが、この規定により、プラットフォームに残ることができたKOLでも、MCNに10%のマージンを納めなければならなくなる。

指定MCNとの契約を義務付けるブランドパートナーへの通知

今回の一件は、小紅書が商業化を加速する過程において避けて通れない反発だ。設立から5年以上が経過し、すでにユーザーが2億人を超えているにもかかわらず、手ぬるいビジネス戦略をとっているならば、その収益能力に疑問符がつき、資本市場に対する説得力も十分とは言えなくなる。

今年初め、小紅書の創業者・毛超氏と瞿芳氏は「2019年はユーザー拡大および商業化にとって真に重要な1年になる」と語った。2018年後半に同社は広告業務を開始し、「タオバオ(淘宝)」など大手ECプラットフォームと負荷テストを開始し、2019年1月にKOLプラットフォームを立ち上げた。この一連の展開は小紅書が自社の商業化ペースを加速していることを示している。

微博(Weibo)やTikTok(抖音)など、企業とKOLをマッチングさせてプロモーションする事業に乗り出した前例はすでにある。それらはいずれもマーケティングサービスを提供すると同時に一定のサービス料を徴収している。得られる収入が収益全体に占める割合は決して大きいものではないが、堅実なマネタイズ方法だと言える。
(翻訳・虎野)

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