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中国の店頭市場「新三板」に上場しているプレゼンテーションとコミュニケーションの専門教育企業「新励成」が、このほど第三者割当増資で新株約1000万株を発行した。新株の引受先は「広東文化産業投資基金」と「広州市中小企業発展基金」。調達した資金はオンライン教育事業、子ども向けプレゼントレーニング事業、研究開発等に充てられると伝えられる。
すでに成熟市場が形成されている音楽や芸術分野とは異なり、プレゼンという分野には競争相手が少なく、市場の拡大が期待できるといえる。2005年に設立した新励成は、主に社会人向けプレゼン教室を展開している大手教育機関である。1週間または週末2日間の講座は「表現する」、「伝える」スキルに特化したカリキュラムと「心を動かす」リーダーのスピーチ術に特化したカリキュラムに分かれ、実践形式で行われる。
これまで中国国内の45都市に66教室(うち42の直営教室)を展開し、累計受講生は約30万人。趙璧CEOによれば、今後さらに300弱のフランチャイズ教室を増やす予定だという。2018年度の売上高約9000万元(約14億4000万円)のうち、社会人向けプレゼントレーニング事業が約80%を占める。
業界第2位の企業がわずか6~7教室しか持っていないのに比べ、新励成は非常に高い市場シェアを獲得している。成功の秘密は次に挙げる独自の運営・開発ノウハウにあるのだ。
■ 独自の教員育成・評価体制と高い研究力。カリキュラムの80%以上は自主開発によるもので、6件の特許を取得、2017年にはハイテク企業の認定を受けている。
■ 最短1ヶ月で新教室を開設できる教室拡張システムと高い運営力。地域毎にマネジメントセンターを設置し、各センターにエリアマネージャーとティーチングマネージャーを配置。各教室の経理や事務を担当するスタッフは本部に直属し、データ化によるスピーディかつ高効率の運営を行う。
今回の増資は、オンライン教育事業や子ども向けプレゼン教育事業の開拓を目的としている。
子会社「広州小獅子教育科技公司」を通して、子ども向けプレゼン教育の市場開拓を進めているほか、教材開発と教員育成の標準化によって全国2000校のオフライン教室を統合するシステムの構築を目指している。すなわち、授業準備や受講生管理プラットフォーム、知識シェアリングや技術サポートプラットフォーム等を通じて、同業者にSaaS型教育ソリューションを提供する。
また、社会人、大学生、女性向けに、新たに立ち上げたオンライン教室ブランド「沙発大学(ソファー大学)」で単発講座や21日間の集中講座を開設している。ただし、これらのオンライン講座はまだデジタル化の準備段階にあり、新励成の研究能力や受講生の規模といった強みを十分には活かしきれておらず、さらなる改善が期待されている。
創業者の呉雲川氏は数々の大企業での勤務経験があり、趙璧CEOはファーウェイ(華為技術)やIBMに、共同創業者の劉慧氏は大手新聞社に勤めていた。詹歆CSOは、2019年非公立の教育業界トップリーダー10人のうちの1人に選出されている。
今回の増資について、出資者によれば、現在プレゼン教育の市場規模は約50億元(約800億円)だが、毎年20%以上の速さで拡大しており、米国の350億ドル(約3兆8500億円)の市場規模を参考にすれば、中国の市場は1000億元(1兆6000億円)規模に成長する可能性があるという。この分野でトップに君臨する新励成にとって、市場の拡大と共にチャンスはますます増えていくだろうという。
(翻訳・桃紅柳緑)
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