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ローエンド市場のユーザーが必要とするのは安いティッシュペーパーや鍋に限らない。
7月1日、中国ソーシャルコマース大手「拼多多(Pin-Duo-Duo、ピンドゥドゥ)」は国内最大のテレビODMメーカー「兆馳股份(Shenzhen MTC)」と全面的に戦略提携し、兆馳股份は生産に関する情報をピンドゥドゥに全面的に公開していくとした。兆馳股份は、JVCケンウッド中国法人(JVCKENWOOD China Investment)の親会社でもある。
両社は製品の開発、デザインや製造、マーケティングやプロモーションなどの各プロセスで密に協力し、ピンドゥドゥが擁する4億4300万ものユーザー向けにオーダーメイド・カスタマイズした製品とサービスを提供する。
兆馳股份は長年、フィリップスやシャープ、シャオミ(小米科技)、ハイアールなど国内外の一流ブランドにODMサービスを提供しており、年間生産台数は1000万台を超える。
兆馳グループの董事長である顧偉氏が明かしたところによると、同社傘下のJVCブランドのテレビはまず、ピンドゥドゥのプラットフォーム上でオーダーメイド製品を売り出す。両社の間ではすでに具体的な生産計画が立てられているという。将来的に、兆馳股份は調理器具ブランドの「三禾(SANHO)」や製紙ブランドの「絲飄(sipiao)」のように、ピンドゥドゥ限定のフルオーダーメイド製品を取り扱う旗艦店を発表する可能性もある。
ティッシュペーパーや調理器具の共同購入から電気製品の共同購入へ、ピンドゥドゥは現在、商品カテゴリの拡充を急いでいる。
ピンドゥドゥが電気製品に注力する背景は3つ。まず、ローエンド市場消費者の「3C製品(コンピューター、通信機器、家電)」へのニーズが増加しているためだ。同社が発表した618セール(EC業界で6月に行われる一斉セール)のリポートによると、ローエンド市場における3C製品の注文件数増加率の前年比が初めて一~二級都市を上回ったという。なかでも新型iPhoneシリーズには30万件を超える注文があり、売上額は20億元(約310億円)近くにのぼった。
また、客単価・粗利益率・参入障壁ともに低いティッシュペーパーなどの商品から徐々に客単価・粗利益率の高い電気製品にまで品ぞろえを拡充していくことにより、生産拠点の標準化が有利になるだけではなく、サプライチェーン管理能力の向上や、ピンドゥドゥのプラットフォームがより強い価格決定権を持つことが可能になるからだ。
さらに大手ECのタオバオ(淘宝)や京東集団(JD.com)などが相次いでローエンド市場に参入するなか、ピンドゥドゥはより説得力のある商品で消費者をつなぎとめる必要がある。
同社の提携工場は増え続けている。そう遠くない未来、我々は「ピンドゥドゥパソコン」、「ピンドゥドゥスマホ」などの新商品を目にするかもしれない。2018年12月、ピンドゥドゥは正式に「新ブランド計画」をスタート。中国の中小製造企業の成長のために体系的な支援を提供するとした。同社は各業界の優れた工場1000社を援助する予定だ。具体的には研究開発のアドバイスや、ビッグデータによる支援、集客支援などを提供するとしている。
ローエンド市場の消費者のニーズを満たすため、将来的には自動車、ホームインテリアなどより多くのオーダーメイド製品がピンドゥドゥのプラットフォームで初めて販売されることになるかもしれない。
(翻訳・山口幸子)
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