越境EC業者向けアマゾン店舗管理ツールの「4KMILES」、広告支援サービス開始

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越境EC業者にアマゾンの店舗運営管理ツールを提供する「4KMILES」は、新たにマーケティングを通じた顧客獲得や広告投下といったサービスの提供を検討している。同製品は2018年に登場し、「信天創投(ALBATROS VENTURE)」からエンジェルラウンドでの数百万元(約数千万円)の資金調達を完了している。

2016年、アマゾンが自社の海外出品サービス「グローバルセリング(Global Selling)」を試験運用した際、中国の販売業者に対して「グローバルセリングで越境EC参入のハードルはさらに低くなる」と語ったことを受けて、4KMILESの創業者兼CEOスティーブン・チェン氏は、中国の製造業の強みとグローバルセリングを生かして国際貿易業界に進出することを計画していた。

アマゾンの販売業者が海外取引に参入する過程において、サイト内の販売業者向け運営ツール(グローバル出品連携ツール)が中国の業者にとって使いづらかったことに目を付けて、2018年にチェン氏らは4KMILESの製品をローンチした。同製品はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)ライセンスを提供することにより、アマゾンの販売業者がプラットフォーム上で複数のアカウントを一元管理できるようにし、運営コストの削減に貢献する。また、複数の海外サイトの運営データを収集して、販売業者の事業を支援する付加価値サービスを提供できる。

2018年12月に、4KMILESはアマゾンのソリューションプロバイダー(Amazon Solution Provider Network、略してSPN)として公認されている(アマゾン公式サイトの情報によると、中国国内で公認の企業は他に4社)。

公認を受けることにより、4KMILESの製品は少なくとも以下の2点を保証することができるとチェン氏は考えている。

1)データの安全性。プラットフォームと販売業者の双方にとって、データを不当に売り買いされるリスクが存在しないこと。

2)運営ツールとして、販売業者の持続的な成長をサポートすると同時に業務量を削減できること。

チェン氏によると、同社製品の強みは「販売業者の視点」からツールを開発したことにあるという。プラットフォームの視点で開発された前述のグローバル出品連携ツールと異なり、顧客の体験を基に開発されているため、販売業者らが直面していた問題を見事に解決できている。

事業のマネタイズにおいて、同社は以下の収益モデルを用いている。

1)製品の付加価値サービス。APIデータ(販売データや回転率など)を基にしたCRM( 顧客管理システム)を構築し、これを有料サービスとして提供している。例えば、販売と広告間のデータを整理して総括し、報告書として販売業者にフィードバックしている。

2)仲介サービス。販売業者からアマゾンに賠償請求などを申し立てる場合の有料代行サービスを提供している。

3)越境ECを取り扱う保険会社との提携。販売業者の返品率に応じた返品保険(返品送料を補償する保険)などの加入を勧める。

今後の業務計画に関して、チェン氏は9~12カ月以内に組織を運営サービスプラットフォームに転換する構想を持っており、まずは広告支援に着手する。同社はサービス開始からこれまでの9カ月間で収集した販売業者のデータを基に、広告投下に関するノウハウをいくつも蓄積してきた。そこで、アマゾンのサイト内サービス以外に、グーグルなど他プラットフォームでも広告投下を支援するサービスを運営しようと検討している。
(翻訳・虎野)

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