ファーウェイ、太陽光発電新戦略発表 普及加速で主力エネルギーに 

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中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は先月行われた第16回SNEC(国際太陽光発電とスマートエネルギー大会)に合わせて、スマート太陽光発電の2023年戦略および新製品発表会を開催し、新戦略とオールシナリオのソリューションを発表した。

ファーウェイの子会社であるデジタルエネルギー会社「ファーウェイ・デジタルパワー(華為数字能源技術)」が発表したスマート太陽光発電の新戦略は、大きく以下の3つに分かれる。第1に、Watt(ワット、エネルギー管理)、Bit(ビット、デジタル技術)、Heat(ヒート、熱管理)、Battery(バッテリー、エネルギー貯蔵)という4T技術を融合し、研究開発の強化や継続的な技術革新によって、太陽光発電産業の発展加速に焦点を当てる。第2に、パートナーと協力して質の高い業界標準をつくり、産業の健全な発展を推し進める。第3に、6つのエコシステムパートナーシステムを発展させ、より競争力のあるソリューションと良質なサービスを提供する。

さらに新戦略に基づいて、発電プラント、商工業(C&I)、住宅という3つの主要シナリオに対応したソリューションを発表した。

発電プラントシナリオでは、デジタル技術とパワーエレクトロニクス技術の融合により、この10年の間にスマートストリングを世界のトレンドにした。今後、「太陽光発電(PV)」「電力貯蔵システム(ESS)」「電力網」「クラウド」を融合したスマート太陽光発電+ESSソリューションを開発し、太陽光発電を主要なエネルギー源にする動きを加速させる。

今回ファーウェイが発表したスマート太陽光発電+ESSソリューション「FusionSolar」は、グリッドフォーミング能力を備え、発電量当たりのコスト(LCOE=均等化発電原価)が低く、安全性が高いほか、全てがデジタル化されているという4つの優れた点があるという。

商工業向け「ソリューション2.0」 (画像:ファーウェイ)

商工業シナリオでは、太陽光パネルの発電量を最大化するオプティマイザーなどを導入した「ソリューション2.0」を発表した。よりインテリジェントな発電、電力の利用、高い信頼性、簡単な保守管理、という4方面からユーザーの電力使用コストを削減し、設備・資産・個人の各レベルでアクティブセーフティを実現する。このソリューションには、1300Wのオプティマイザーや初めてスマートストリング構造を採用した200kWhの商工業向け蓄電池、AIと全チェーンスマート化が融合した初のスマートクラウドプラットフォームなどが含まれている。

住宅シナリオでは、ワンストップの「ソリューション4.0」を発表した。パワーコンディショナー、スマートストリング式蓄電システム、EMMA(AIエネルギー管理アシスタント)などを備え、自由な電力使用、スマートコントロール、アクティブセーフティなどを実現する。

「1+4+X」方式のワンストップソリューション(画像:ファーウェイ)

ファーウェイ・デジタルパワーはファーウェイにとって重要な成長事業になっている。今年3月の決算発表でファーウェイは初めて産業種類別に売上高を公表した。2022年のデジタルパワーの売上高は508億元(約1兆円)に達し、ICTインフラとコンシューマ向け端末に次いで3番目、クラウドやスマートカーを超える規模となっている。

ファーウェイ・デジタルパワーは今年、太陽光発電を事業の中心に据えるという。現在R&Dスタッフは6000人を超え、今年は最大で15億ドル(約2100億円)を投じて発電プラント、商工業、住宅用の3つのシナリオで製品やソリューションをユーザーやパートナーに届ける。

ファーウェイは2024年から25年にかけて太陽光発電の普及率を60%以上に引き上げ、太陽光発電をエネルギーの主力にするという最終目標の実現に向けて着実に歩を進めていく考えだ。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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