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民泊仲介サービス大手「Airbnb」の発展に伴い、民泊が徐々に宿泊スタイルの主流となりつつある。ミレニアル世代の利用だけでなく、ビジネストリップの宿泊先としても重要な一角を占めるようになり、オーナーも従来の兼業から専業への転向が進んでいる。また短期賃貸物件を専門に取り扱う企業も参入し、綿密な運営が新たなニーズとなっている。36Krはこのほど、まさにこの民泊市場に切り込もうとしている「PowerHost」に話を聞くことができた。
PowerHostは民泊分野のビッグデータとAI(人工知能)を手掛ける。設立は2018年9月。商品と研究開発に関わるメンバーは中国国内に、運営と営業を行うメンバーは海外にそれぞれ拠点を置く。同社は大規模データのマイニングを通じて、アルゴリズムモデルの構築とデータの可視化を実現。物件のスマートプライシングや投資戦略の参考情報、市場開拓のアドバイス、オンラインマーケティングなど民泊業界の多様なシーンにデータ・ソリューションを提供している。
同社の商品は主に欧米諸国や日本などの海外市場向けだ。すでに米アリゾナ州フェニックスでサービスを提供。米国の50を超える人気都市と中国国内の10以上の一、二級都市に関するデータを網羅している。顧客は主に5件以上の物件を所有する専業オーナーと短期賃貸物件を取り扱う企業。一度の取引につき、1%の手数料を徴収する。
プロダクトパートナーの魏超氏によると、物件のスマートプライシングが同社の主要商品となる。機械学習アルゴリズムが物件の条件や市場の需給状況、現地で予定されている重大イベントや周辺ホテルの価格など多様な要素を踏まえて自動的に価格を設定、Airbnbなどの短期賃貸プラットフォームに同期する。オーナーの運営効率を向上させるとともに、物件の稼働率と総収益の向上も実現する。
その他にもデータを可視化することで、顧客の多様なニーズに応える。例えば、同じ都市でも地域ごとに運営状況を研究することで、顧客は特定の地域における特定のタイプの物件の稼働率や収益、一晩の平均価格、入居日数、事前予約の時期、宿泊客の情報など多元的なデータを見ることができ、市場開拓のための根拠を得ることができる。
市場におけるプロモーションに関しては、国外のPMS(ホテル管理システム)サービス事業者とSDK(ソフトウェア開発キット)の提携を行うと同時に、各都市の潜在的な大口顧客に向けてピンポイントにセールスを行っているところだ。また、ソーシャルメディアを利用してコンテンツマーケティングを行い、民泊業界の運営リポートをアウトプットすることでブランド影響力を打ち立てている。
海外市場を選択した理由は民泊業界の現状と同社業務の特性にあると魏氏は語った。先進国は民泊業界が高度に発展している上、海外ユーザーは有料サービスに対する受容性がが高い。中国のユーザーは有料サービスを利用する習慣が根付いておらず、国内の物件管理ソフトウエアは無料を売りにしてユーザーを引き付けてきた。そして一旦有料にすると大部分のユーザーを失ってしまう。民泊管理プラットフォーム「雲掌柜(yunzhanggui)」を例に挙げると、商品を有料にしたことでユーザーの半数以上を失ったという。
魏氏は10年以上にわたってインターネット商品のデザインや運営を手掛けてきた。技術パートナーの黎亮氏は連続起業家で、バイドゥ(百度)で長年開発に携わり、ビッグデータとレコメンドアルゴリズムの研究もしていた。(翻訳・山口幸子)
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