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中国テック大手のバイトダンス(字節跳動)の海外向けツールといえば、真っ先に思い出すのは世界中で人気を博している動画投稿アプリのTikTok、そしてファッション情報SNS「Lemon8」だろう。最近では動画編集アプリ「CapCut」が注目を集めており、バイトダンスの新たなドル箱になる可能性も出てきた。
バイトダンスは2019年5月に動画編集アプリ「剪映」をリリースし、その海外版として20年4月にCapCutを発表した。CapCutの急激な拡大はなんといってもTikTokによるところが大きい。Adobeの「Adobe Premiere」や「Adobe After Effects」などの専門的な編集ソフトに比べ、スマホなどでも使えるCapCutはユーザーにとって使いやすく、人気のあるテンプレートも豊富に揃っている。CapCutの登場で、海外ユーザーが積極的にショート動画を作成し、TikTokに良質なコンテンツを提供するようになった。
CapCutの月間アクティブユーザー数は世界で2億人を超え、今年5月にはわずか1カ月で世界のダウンロード数が3000万件に達した。なかでも米国市場での動きが活発で、4月の初めには、ダウンロード数のランキングでトップが続いていた越境ECアプリ「Temu」をおびやかすまでになった。
東南アジア地域でも多くのTikTokユーザーがいるおかげで、CapCutも大流行している。調査会社Data Reportalによると、TikTokの今年4月のユーザー数は米国が1億1330万人で最多だったほかは、東南アジア勢が追い上げを見せた。2位のインドネシアが1億990万人、さらにベトナム、フィリピン、タイと、東南アジアの4カ国がTOP10 に入った。
米モバイルアプリ調査会社Sensor Towerによると、CapCutは今年1~3月の東南アジアにおけるアプリダウンロード数でトップとなり、累計ダウンロード数は4695万件を超えた。また米調査会社data.aiによると、インドネシアの動画編集アプリランキングでもトップになった。
CapCutのテンプレートはTikTokだけでなくInstagramやYouTube、Facebookにも投稿できることは注目に値する。著作権チェック機能もあり、動画を他のプラットフォームに投稿しても問題がないか確認することができる。
ライバルがいないわけではない。海外でよく使われている動画編集ツールには「Splice」「Facetune」「Picsart」などがあるが、全ての機能を利用するには課金する必要がある。CapCutも有料版のCapCut Proならクラウドストレージの容量が大きくなり、より多くの機能や素材を使うことができるが、無料版でも機能は十分だ。これもCapCutが発表から2年で多くのユーザーを獲得できた理由だ。
CapCutは今年1月の世界の売上高が80万ドル(約1億1600万円)に達し、そのうち米国での売り上げが半分以上を占めている。東南アジアの売上高はまだ公表されていないが、平均収入や課金の状況から考えると、利益をあげることができるか否かはまだ不透明だ。
作者:7点5度(WeChat公式ID:Asia7_5)、Chester
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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