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ソフトロボットの開発を手がける中国スタートアップ企業「軟体機器人科技(Soft Robot Tech)」(以下SRT)が、シリーズCとC+で計1億5000万元(約30億円)を調達した。シリーズCは金石投資(GoldStone Investment)が主導し、シリーズC+は神騏資本(Pegasus Capital)と灼星基金(Zhuoxing Fund)が参加した。
2016年に設立されたSRTはソフトロボティクスを基盤とする革新的なテック企業で、ソフトロボットの設計、製造、制御技術を手がけている。製品はファクトリーオートメーションやリハビリテーション用ロボットなどで活用されている。現在、世界26カ国、20以上の業界に製品を販売し、500以上の顧客にサービスを提供している。
主に関節を使って動く従来型のロボットは柔軟性が不足し、コストが比較的高いという制約があった。従来型のロボットは製造業の現場で、変形しない一般的物品の運搬のわずか3~4%を代替したのみだという。柔らかい・壊れやすい・形状が不規則な製品の多くはやはり人の手作業が必要で、自動化が難しい。一方、フレキシブルなエンドエフェクターは世界中の製造現場で柔らかく壊れやすい物品の運搬問題を解決する最適解となる。
注目されているソフトロボット技術は関連論文も年々増え、学術的な関心も非常に高い。産業での実用化が進み、浸透率は急速に上昇している。SRTを創業した高少龍CEOは、中国の製造業が発展する中、ソフトロボット技術が生鮮・半加工食品、医療用品、金物、半導体など多くの業界で自動化とデジタル化を後押しできるとの見解を示した。同社は中国の製造業と長期にわたって共存し、中国製造業のモデル転換と高度化を後押しすることで世界的な競争力の確立を目指している。
SRTは現在、主要製品として「ソフトフレキシブルグリッパーSFG」「インナーサポートクランプISC」「ファンデルワールスサクションカップVFC」など8種類のエンドエフェクターを展開し、多くの国際特許を有する。製品は生鮮・半加工食品、医療用品、小型金物、半導体、コンピューター・通信機器・家電(3C)、パネル、リチウムイオン電池、自動車、射出成形など20以上の業界で広く使われている。
医療用ロボットでは、手、胴体(開発中)、足関節(開発中)のリハビリテーション用フレキシブル外骨格ロボットなどで製品ラインを構成し、一部の製品は大規模な販売や臨床試験段階に入っている。
高CEOはソフトロボットの技術的なハードルについて、材料工学、ロボットの運動制御学、化学工学など複数の学問が入り混じる分野のため、基盤アルゴリズムやモデル、材料と化学の実験方法、化学工業の生産技術、製品化への理解でチームの総合力が試されるとの考えを示した。SRTは創業以来、さまざまな材料と製品に関する数万回の実験を通じて膨大なデータを蓄積し、8件の国際特許と200件以上の中国国内特許を持っている。
工業分野では今後、フレキシブルグリッパーを入り口としてグローバル市場向けに標準部品の販売を進めていく。医療ロボット分野では「空気圧人工筋肉」をコア技術として、リハビリテーション用フレキシブル外骨格ロボット、腹腔鏡手術用固定装置、人工心臓など多くのシリーズ製品を展開する計画だ。
(翻訳・大谷晶洋)
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