活気づくグリーン水素産業 中国新興が100%国産の水電解装置を開発

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活気づくグリーン水素産業 中国新興が100%国産のアルカリ水電解装置を開発

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水素エネルギーの利用が急速に広がり商用化が進むにつれ、再生可能エネルギーを使い生成する「グリーン水素」の産業が勢いを増している。Hydrogen Council(水素協議会)と米マッキンゼー・アンド・カンパニーがまとめたリポートによると、2050年に世界全体で水素の需要量は年間約6億6000万トンになり、そのうち70%をグリーン水素が占めるという。電気分解で水素を製造する水電解装置の容量としては5500ギガワットに上る。

グリーン水素産業が盛んになり、水電解装置の市場が急激に拡大する一方で、新たなニーズも生まれてきた。例えば、水素製造の大規模化、再生可能エネルギー由来電力の不安定性への対応、系統の電力消費低減、簡単で信頼性の高い維持管理などが求められるようになり、水電解による水素製造の新たな技術の開発が必要になっている。

水素燃料電池を手掛ける「愛徳曼氫能源装備(Cemt)」は7月12日、内モンゴル自治区ウランチャブ市で、グリーン水素市場の新たな需要に向けたアルカリ型スーパー水電解装置を発表した。

再生可能エネルギーを使用する水電解は、グリーン水素の製造技術として現在最も成熟しているものだ。しかし再生可能エネルギー由来の電力は供給が不安定なため、水素製造においても出力変動に対応する必要がある。

愛徳曼が今回発表したアルカリ型スーパー水電解装置は、従来の電解槽とは設計と性能が明らかに異なり、オフグリッドの再生可能エネルギー由来電力の出力変動に対応することができる。

革新的な製品設計はこの商品の大きなポイントだ。アルカリ型スーパー水電解装置は従来の電解装置の構造を変え、多数の小型電解槽スタックを並列に配置し、それぞれを最小単位として系統と繋いだ。これにより高動力で反応が素早く、メンテナンスが容易というユーザーの要望を満たしている。

この水電解装置は設計と制御をモジュール化することで、広い範囲で負荷の調節を可能にし、風力や太陽光で発電する電力の出力変動に対応することができる。対応可能な出力変動幅が20~110%だったものを5~110%に広げて、出力変動への対応力を増し、オフグリッドの再生可能エネルギーを使った水素製造を実現した。

愛徳曼のアルカリ型水電解装置(企業提供)

材料の技術革新については、隔膜が例に挙げられる。隔膜は水電解による水素製造の中心的な材料であり、水素と酸素の純度や電力消費に直接関わってくる。電気抵抗の大きさは電解槽のエネルギー消費に影響し、イオン透過性は生成する気体の純度に直接影響するため、隔膜の機能を評価する際にはこの2つが重要な指標となる。

愛徳曼のアルカリ型スーパー水電解装置は国産の複合隔膜とそれに合わせた新しい電極材料を採用した。電流密度がセル電圧2.0Vで14000A/㎡と115%向上したことで、消費電力を減らし水素の製造コストを抑えることに成功した。この装置で使用している材料や部品がいずれも100%中国製であることも特筆すべき点だろう。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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