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オンライン総合ペットサービスの「波奇網(Boqii.com)」がこのほど、ペットショップフランチャイズおよび職業訓練サービスを展開する「派多格(PETDOG)」に1千万ドル(約10億6000万円)を出資した。波奇網の持株比率は現在公開されていない。
2008年に創業した波奇網は当初、コミュニティサイトからペット用品のECサイトへと発展し、豊富な販売チャネルを構築すると同時に、自社ブランド商品を開発している。2014年からO2Oビジネスに進出した同社は、1万軒以上のペットショップの実店舗にSaaS管理システムと流通サービスを提供し、小規模店舗の経営のデジタル化をサポートしている。2016年初め、波奇網はシリーズCで「招銀国際(CMB INTERNATIONAL)」、「高盛亜洲(ゴールドマン・サックスアジア)」から1.02億ドル(約108億円)の資金を調達している。
現在、すでにペット業界のユニコーンとなった波奇網は、中国最大のペット関連Webサイトを運営しており、数千万人のユーザーを擁している。2017年、中国最大のECイベント「双十一」では、波奇網一日の売上は1億元(約15億円)を突破し、2018年の「双十一」では1.6億元(約24億円)に達した。
波奇網の出資先である派多格(PETDOG)は「派多格」ペットショップのフランチャイズチェーン5000店舗を持つ企業である。2005年に創業した派多格は自社ブランド商品とペットの販売のほか、ペット美容師、トレーナー、栄養士などのペット関連人材の育成にも注力している。9年間、ペットサービスの職業訓練を受けた従事者は数万人に達し、人材育成体制が確立されている。
ペット業界はここ数年急速な成長を続けており、1兆元(15兆円以上)規模の市場になっている。2018年に飼い主がペットのために年平均約4000元(約6万円)を消費しているという。しかし、数万店のオフラインペットショップは中小型店舗が主となっており、全体的に見て、サービスの専門性、標準化と信頼性に課題がある。
波奇網にとって、中心となるECの急速な拡大が物流コストの急激な高騰をもたらしている。派多格との提携により、全国にある5000の加盟店は波奇網の配送拠点と小型倉庫として新たに追加されたことになる。ユーザーの来店またはショップからの配送によって、物流コストを抑えることができる。一方、派多格は受け身で顧客の来店を待つのではなく、顧客のニーズに合わせて一連の専門的なペットサービスを展開することができる。両社は従業員の信用評価体系の構築も計画している。
ここ数年、波奇網は積極的にオフラインチャネルを開拓している。昨年、波奇網はペット用医薬品、栄養健康食品を手掛ける「南京興牧生物科技(NJXM)」、大型ペット食品の研究開発およびメーカーの「青島双安生物科技(EASTAN-BIO TECHNOLOGY)」にそれぞれ1千万元(約1億5000万円以上)と数千万元(約3億円以上)を投資し、ペット用医薬品、栄養健康食品の代理販売と生産開発に参入している。同年8月末、波奇網は大型ペット医療チェーングループ「瑞派(RINGPAI)」と戦略的提携を行うことに合意し、メディカル市場へも手を広げようとしている。
今回の波奇網の派多格への経営参画によって、両社はそれぞれのアドバンテージを活かしてオンラインとオフラインの相互補完をし、業界の全体的水準を高めている。ペットオーナーにとってはより迅速で専門的なサービスが受けられることは良いことに違いない。
(翻訳・桃紅柳緑)
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