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電動歯ブラシ業界への参入者が日増しに増えている。中国ではローカルブランドの「usmile(笑容加)」、素士(SOOCAS)、海外のフィリップス(Philips)、オーラルB(Oral-B)などがすでにしのぎを削っている。
こうしたなか、usmileが9月8日、広東省深圳市でデジタル歯ブラシ技術交流会を開催し、電動デジタル歯ブラシを間もなく発売すると発表した。
2015年に設立されたusmileは主に電動歯ブラシ、ウォーターフロッサー、デンタルフロスなどの口腔ケア製品を手がける企業で、深圳市にある生産・研究部門には200人余りの従業員が在籍する。「2023年1~7月口腔ケア業界概要リポート」によると、usmileのオンライン売上高は全体の26.8%を占め、前年同期から65.1%増えた。現在、電動歯ブラシの販売量で中国トップの国産ブランドとなっている。
今回発表されたデジタル歯ブラシ「F10」シリーズは、歯ブラシを電動化からデジタル化へと進化させるものだ。説明によると、デジタル歯ブラシとは、アルゴリズムを用いて、歯磨きに要する時間や歯垢除去の程度を表示できるスマートスクリーンを搭載した口腔ケア製品を指す。同シリーズは年内に発売される予定。
usmileは今年5月、すでにスマートスクリーン搭載の電動歯ブラシ「Y10」シリーズを発売した。電子商取引(EC)プラットフォーム「淘宝網(タオバオ)」では同シリーズの販売量が100万本を超えている。うち「Y10 PRO」は歯垢モニタリング機能を備え、歯垢除去の効率が一般的な手磨き用歯ブラシの2.49倍に上るという。
また、歯ブラシの製造工程では、ブラシの毛先の丸み具合が磨き心地や効果に影響するため、usmileはその点に力を入れている。電池寿命は、1日2回・2分間ずつの使用で6カ月ほど。
電動歯ブラシ業界は技術的なハードルがあまり高くないと考えられてきたが、usmileはここ数年、研究開発に年間約1億元(約20億円)を投じており、今後も少しずつ技術投資を増やしていく考えだ。すでに今後10年にわたる技術ロードマップを策定したという。将来的には技術力で世界トップの電動デジタル歯ブラシブランドを目指す。
向こう3年以内に、電動歯ブラシの生産ラインを全てデジタル歯ブラシへと置き換える方針だ。
usmileは現在、欧米や東南アジアなどの世界30カ国以上に進出している。米国では、オーラルBなどが依然として大きな市場シェアを握っており、usmileの拡大ペースはいくぶん遅い。しかし、海外の電動歯ブラシ市場は成熟しているため、usmileが牙城を崩すのは難しいかもしれない。
(翻訳・大谷晶洋)
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