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低価格戦略で世界で展開している中国発の越境電子商取引(EC)大手、「SHEIN(シーイン)」と「Temu(ティームー)」が再び対立している。
SHEINが8月に英ロンドンの高等裁判所に提出した文書によると、Temuの販売事業者がSHEINのサイトから画像を盗用して商品を販売したとみられる事例が数千件見つかっており、これにより不当な競争が引き起こされているという。
SHEINは、Temuが権利侵害の疑われる画像を利用した全商品を販売中止とする判決を下すよう同裁判所に求めるとともに、Temuには損害賠償として10万ポンド(約1800万円)の支払いを要求している。
SHEINがTemuを訴えたのは英国では今回が初めてだが、両社は米国ではすでに訴訟合戦を繰り広げている。SHEINは昨年12月、TemuがSHEINを装ったマーケティングで消費者を誘導しているなどとして、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所に提訴した。一方、Temuは今年7月、SHEINが米国の反トラスト法(独占禁止法)に違反している疑いがあるとして、ボストンの連邦裁判所に提訴。Temu側は、米国進出で先行したSHEINが、市場支配力を利用してアパレルメーカーに独占契約を強要し、Temuの市場参入を妨害していると主張している。
両社のビジネスモデルはよく似ており、いずれも中国のサプライチェーンを背景に、海外市場でアパレルや日用品などを超低価格で販売している。
SHEINは現在、150余りの国・地域で事業を展開しているが、米国を最も主要な市場と位置付けている。一方のTemuは22年9月に設立された新興企業で、まずは米国市場向けに事業を開始し、現在は世界展開を急速に進めている。
Temuが東南アジアや中南米、中東などの市場に進出し、市場シェアを拡大するにつれ、両社の対立が激化していくことが予想される。
*2023年9月25日のレート(1ポンド=181円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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