中国、「スタンプ収集旅行」が若者の間で人気

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

EXCITEのRSSに登録新華社特集注目記事

中国、「スタンプ収集旅行」が若者の間で人気

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の若者の間ではこのところ、「シティウオーク」と呼ばれる街歩き型の観光に続いて、「スタンプ収集旅行」が人気を集めている。今年の中秋節・国慶節連休期間(9月29日~10月6日)には、多くの観光地で訪問記念にスタンプを押すことが新たなブームとなった。

スタンプ収集家の寅さんは「観光地で長い行列を見かけたら、列の先にはスタンプ台がある可能性が高い」と話す。彼女は旅行先を決める際に、インターネット交流サイト(SNS)上で「地名 スタンプ集め」で検索する習慣が身に付いたそうで、「どこのスタンプが美しいか、どこのスタンプなら並ばずに済むか、どのようなルートを組めば効率よくスタンプが集められるかなど、工夫の余地が多い」と語った。
 
8日に閉幕した第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)では、浙江省杭州市の人気が爆発的に高まった。同市余杭区行政サービスセンターでは、アジア大会の競技種目の青い記念スタンプ61個をそろえようとする人々が長蛇の列を作った。漢民族の伝統的な衣装を着た北京からの観光客、王銘さんは、山東省曲阜市にある孔廟風景区に足を運ぶと、いそいそと「スタンプ集め」の旅を始めた。伝統文化に関心を持つ王さんは、「孔子の故郷の旅をスタンプで記録することには意義がある」と語った。
 
中国の大手旅行予約サイト、同程旅行のデータによると、今年の中秋節・国慶節連休に関連してトレンドに上がったキーワードの中で、「スタンプ」は「ドライブ旅行」に次いで注目度ランキング2位だった。同社によると、「スタンプ収集旅行」が若者の人気を呼ぶ理由は、主に若者の文化に対する心理的ニーズを満たせる点にあるという。若者たちはスタンプ収集を通じて、よりニッチな文化施設や博物館に足を運んでユニークな体験をし、自分だけの有意義な思い出を作ろうとしている。また、旅行体験やスタンプコレクションをSNSで共有し、自分の体験や文化的素養をアピールすることで、SNS上での交流を活発にし、認知度を高めることもできる。さらに、「スタンプ旅行」は伝統文化の現代風アレンジでもあり、若者たちはスタンプを通じて、中国の伝統的な印章芸術に直接触れ、古き良き文化の魅力を感じることができる。

中国伝媒大学文化産業管理学院の熊海峰副教授はスタンプ収集について、観光客にとって旅の動機づけ、経験の伝達手段、記憶の媒体であると指摘。消費者は観光における参加感覚と「儀式感」をより重視するようになっており、「スタンプ収集ブーム」は、低コスト、高品質、深い体験を追求する観光客の消費傾向を反映しており、「小さくて美しい」観光文化クリエーティブ製品がますます好まれるようになっていると述べた。(新華社北京)

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録