ユーザーに響くAR体験とは?SNSやスマホで広がる「BytePlus」のARソリューション

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10月19日〜20日に東京ミッドタウンでアジア最大級のマーケティングカンファレンス「ad:tech tokyo2023」が開催された。世界テック大手・ByteDance(バイトダンス)傘下のインテリジェント・ソリューションを展開する「BytePlus(バイトプラス)」が登壇し、AIソリューションに加え、新たにARソリューションについても発表した。

同社のレコメンドソリューションについて、既に導入されているアルバイト情報サービスを例にとると、求職者がアルバイト情報を検索したときに、一人ひとりに合った求人内容が自動で表示され、求職者に刺さる情報を表示し続けることでウェブサイトに長く留まらせることができるという。それにより、求職者は自分に合っていると感じる求人情報が見つけやすくなり、コンバージョン率も向上し、求人企業にとっても応募数の増加や効率化が期待できる。

同社の講演現場は来場者で溢れていた

世界最高峰のレコメンド技術に定評のあるBytePlusだが、今回のARソリューションもまた、ただ目新しいというのではなく、導入企業や導入組織のネットサービスでの利用率や購入率を高めることが狙いだ。ARというと、専用デバイスの用意が必要といったイメージを持つかもしれないが、利用者はスマートフォンを使ってアプリやウェブページから体感することができる。イメージとしては、動画アプリやリモート会議アプリの背景を変えたり、顔を絵文字風にしたりする画面効果に近い。ちなみにウェブページにARサービスを導入するのは一般的に技術的なハードルが高いと言われるが、「BytePlusのソリューションであれば実現が可能で、そこが強みの一つ」だと同社の担当者は語る。

世界最高峰のレコメンド技術、日本に到来。DXを知り尽くしたBytePlusが示す勝ち筋

BytePlusのソリューションを導入した場合、企業や組織のウェブサイトでカスタマイズして導入されることから、様々なAR効果の実現が可能となる。

導入事例の一つとして、アパレル企業の試着サービスを挙げている。動画アプリのエフェクトのように、スマホやタブレットに映る人がカバン、腕時計、帽子、靴、メガネ、指輪、ブレスレット、ネイルなどを試着できるというものだ。サイズ感や骨格などとの相性が重要になるシャツ、ジャケットやパンツなどはまだ未対応だが、担当者によれば「技術が向上し1年以内に対応できるだろう」と語る。服の上下は人によって骨格が異なることから現状では難しいが、サイズ違いについてはソリューションの提供は可能で、例えばカーテンが合うかどうかをサイズも含めてARで表示したり、車がガレージに入るかどうかARで表示して検証したりすることもできる。

アクセサリーブランドが導入したAR試着の事例(左)

従来のECサービスでは、商品をテキストと画像で紹介していた。それがサービスや商品によってはテキストと画像に加えてショート動画でも商品を紹介するようになった。動画を通じて商品の詳細や、様々な距離・角度から見せることによって、商品がよりイメージしやすくなった。さらにARで試着することで、自分が着用したら似合うかどうかがわかるようになる。つまりAR導入は奇をてらったものではなく、画像から動画へと紹介手法が増えたような正常進化だ。AR試着したユーザーは購買体験にも満足しているようで、ARの試着を利用したほうが、利用しないよりもコンバージョン率が上がることがデータでも表れている。高級ブランドにはまだ手が届かない層にとっても、憧れの一流ブランド店舗のARサービスであれば気軽に体験することができ、そこでブランドに親近感を覚えて、将来的な見込み客となることも期待できる。

他のARの導入事例では、動画を含むオンライン教育の現場で様々な絵文字を活用し、表情を自由に変化させることが挙げられた。そうすることで、先生をより身近に感じ、かつ生徒を飽きさせないオンライン授業を実現できる。また、シンガポール政府観光局は、よりシンガポール観光が楽しくなる仕掛けとして、BytePlusのARソリューションの導入を進めた。観光地でスマートフォンをかざすことで様々な反応がスマホ画面で起きる仕掛けを提供した。日本でも多くの外国人観光客がやってくる渋谷のスクランブル交差点でスマートフォンをかざすと、渋谷をイメージしたあっと驚くバーチャル映像が出てくるような、そんな仕掛けがあると東京での体験もより印象に残るかもしれない。

BytePlusのARソリューションを活用したシンガポール政府の事例

BytePlusによれば「AR技術を導入したサービス開発はアーリー期にあるが、技術的な進化によって各企業のニーズに合わせたカスタマイズにも以前より時間がかからなくなっている。それでいて、多くの企業がまだ導入していないので、現段階でのAR導入は大きなメリットがある」という。サービス利用者の記憶に残る経験をしてもらい、ライバルと差別化するなら、ARの導入を検討するのも一つの手だろう。

(作者:山谷剛史)

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