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今年3月、中国のホテルブランド「千嶼(Islands)」がインド発のホテル・不動産ユニコーン「OYO」に買収、完全子会社化された。2017年設立の千嶼は、既存の中小規模の独立系ホテルをフランチャイズ化するモデルを中国で最初に確立したが、新たなビジネスモデルを導入したOYOと共に新モデルへの転換を急ぐ。
千嶼と加盟ホテルの関係は、以前は加盟ホテルから売り上げの一部を加盟金として徴収するというシンプルなモデルだったが、新モデルでは、加盟ホテルへの最低収益保証制度の導入により、千嶼が実質的な経営権を持つことになり、双方で経営リスクと利益を共有する。千嶼が提供するビッグデータ分析による価格調整、トラフィック誘導、チャネル戦略などのツールを通じて、加盟ホテルの高稼働・高単価を実現する形だ。
創業から一年半あまりで、加盟ホテル2500軒超、約120都市で客室累計15万室超、会員30万人という規模に成長した千嶼は、年内に加盟ホテル3000軒、客室数20万室を突破する見込みだ。加盟ホテルは、客室数30~1000室規模のホテルが中心となっている。
共同創業者兼COOの李浩波氏によれば、加盟ホテルの運営効率を高めるため、千嶼が運営管理スタッフの派遣やAI管理ツールの活用も行っているという。
千嶼は「千嶼聯盟」、「千嶼精選」、「千嶼S」の3つのブランドを展開しており、現在最もシンプルな契約関係である「千嶼聯盟」が2000軒あまりで、大半を占めている。一方、一部の客室をリノベーションし、内装を統一させている「千嶼精選」は100軒超、全室標準化した「千嶼S」は10軒あまりとなっている。「千嶼精選」と「千嶼S」は委托経営方式を採用しており、ホテルオーナーはいわば投資者として利益分配を受けるのみで、ホテルの運営管理は全て千嶼が行う。
宿泊客の予約は、「千嶼聯盟」の60%以上がOTA(オンライン旅行会社)経由となっているが、「千嶼精選」ではOTA経由の予約の割合は20%前後に過ぎない。今年6月に会員システムのアップグレードを行って以来、会員による直接予約が全体の8~10%を占めるようになった。加盟ホテルの稼働率、RevPAR(販売可能な客室1室あたりの売上)、粗利率等の指標はいずれも改善しているという。
李氏は今後について、AIを活用して加盟ホテルの利益向上を目指しながら、標準化された「PC+モバイル」運営システムを通じ、独立系ホテル市場を活性化させていくと語った。このほか、千嶼は異業種連携、宿泊業以外の収入増加、中国伝統要素を取り入れた「国潮」ブランド構築の模索など、ホテル業界にイノベーションを起こしていくとしている。
(翻訳・桃紅柳緑)
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