中国で冬季スポーツ熱続く 今年は「スキープラス観光」が人気

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中国では気温の低下に伴い、各地でさまざまな雪や氷のイベントが相次ぎ、スキー場も続々とオープンしている。北京冬季五輪を契機に冬季スポーツがブームとなっており、最近はスキーと観光を両方楽しむ「氷雪観光」の人気も高まっている。
 
本格的なスキーシーズンを迎える中、オンライン旅行会社大手の携程集団(トリップドットコムグループ)では、スキー旅行の団体予約が昨年より3割近く増加。生活関連サービスを手がける美団によると、11月1~9日のスキーチケットの共同購入件数は2019年同期の3.1倍に増えた。ネット上のコミュニティーでは、冬季スポーツ愛好者たちがグループ旅行の「相棒」を探している。
 
今年8月に発表された「中国スキー産業白書」によると、昨シーズン(22年5月~23年4月)は日帰りではなく宿泊を伴うスキー旅行を選ぶ人が増えた。国内のスキー場は観光地に隣接された初心者向けの「観光体験型」、地元客が自家用車で通う「郊外型」、宿泊して観光も楽しむ「リゾート型」の3タイプに分かれ、うちリゾート型を訪れた人は432万人とスキー客全体の21.8%を占めた。前シーズンの14.4%から大きく伸びている。
 
今シーズンもスキーにプラスして「食ベる」「泊まる」「遊ぶ」を存分に楽しむ傾向が続く。複数の観光地では、氷の灯籠や温泉、民俗風習など地元ならではの観光コンテンツとセットにすることで集客力を向上。美団によると、北京の国際リゾート区が売り出したスキー商品の9割超が宿泊を伴うパック旅行で、11月初めの時点で予約総額が2千万元(1元=約21円)を超えた。
 
雪や氷が少ない南部の省でもスキー人気は高い。オンライン旅行会社「途牛旅遊網」は、氷雪観光の目的地で南部の省を選ぶ人の割合が上昇を続けていることから、新たな人気スポットになる可能性が高いと指摘する。旅行サイト「去哪児」のビッグデータによると、10月1日~11月9日の広州、重慶、昆明にある屋内スキー場のチケット販売件数は19年同期の2.5倍以上となった。年中無休で営業する屋内スキー場もあり、南部ではスキーが冬だけのものではなく、夏の暑さをしのぐ絶好のレジャーにもなっている。
 
冬季スポーツ市場の巨大な潜在力や商機に多くの企業が注目している。企業情報サイト「天眼査」によると、国内の冬季スポーツ関連企業は1万1千社余りで、うち今年1~10月に登記した企業は前年同期比40.4%増の1740社に上った。
 
中国政策科学研究会経済政策委員会の徐洪才副主任は、氷雪経済の急速な発展の背景について、各地でスキー場や観光施設の整備が盛んなことに加え、スポーツを通じた体力づくりや文化的な娯楽を楽しみたいというニーズもあると指摘。流行を追い求める若者がブームをけん引しているとの見方を示している。(新華社北京)

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