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中国の北京市高級人民法院(高等裁判所)は2023年の活動報告で、SNSアプリなどを利用した時間外労働に関する訴訟を取り上げた。いわゆる「見えない残業」をめぐる裁判は、中国では初となる。
原告の李氏は、所属する会社に対して19年12月21日から20年12月11日までの残業代の支払いを求め、訴訟を起こした。李氏が主張した残業とは、退勤後にSNSアプリ「微信(WeChat)」や企業向けコミュニケーションツール「釘釘(Ding Talk)」などを通じ、顧客や同僚とコミュニケーションを取り、労働力を提供したことを指していた。一方、会社側はこれは残業にはあたらないと主張した。
北京市第三中级人民法院(地方裁判所)は審理の結果、李氏が一部の勤務日の退勤後や休日にSNSを利用して行った業務は、単純なコミュニケーションの範疇を超えていたと指摘。その業務内容は周期的かつ固定的という特徴があり、一時的かつ偶発的な一般的コミュニケーションとは異なり、雇用主の企業による雇用管理の特徴を反映したもので、残業とみなすべきだとの判断を下した。同裁判所は、企業に対して李氏に残業代3万元(約60万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。
*2024年1月23日のレート(1元=約20円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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