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中国の電動アシスト自転車(eバイク)ブランド「大魚智行車(DYU)」が、シリーズAで中金資本(CCIG)傘下の中金匯融から1億元(約21億円)を調達した。
2014年に設立されたDYUは広東省深圳市を拠点として、17年に折りたたみeバイクで海外進出を開始、同年の出荷台数は1万8000台に上った。翌年には、中国発eバイクメーカーとしては初めて会員制スーパー・米コストコで販売されるようになり、コストコの販売チャネルを生かして、その後の数年間で売り上げを急速に伸ばしてきた。2020年には販売台数が15万台を超え、中国のeバイクメーカーとして初めて輸出台数が10万台を突破した。23年の出荷台数は再び倍増し、50万台近くに上っている。
DYUは欧米市場のモビリティ需要に対し、折りたたみ、ロード、マウンテン、ファットタイヤなどさまざまなタイプのeバイクを開発し、世界で100件以上の特許を取得している。うち、主要製品は折りたたみeバイクだ。現在、欧米の折りたたみeバイク市場で、DYUのシェアは50%を超えている。価格が500~1000ドル(約7万5000~15万円)とコストパフォーマンスが高く、米国での市場シェアは約30%に上る。
創業者の李威氏はeバイク業界では製品の品質を確保すると同時に、製品アップグレードのペースについていくために小さなイノベーションを進めるべきだと考えた。同社のイノベーションは3つある。技術面では、バランススクーターに搭載されるジャイロスコープの姿勢感知アルゴリズムと自転車のトルクセンサーアルゴリズムを組み合わせた。デザインにおいて、50万台以上の販売実績がある「D」シリーズは、フィボナッチ数列(黄金比)と言われるオウムガイのらせん構造をベースに、イルカがジャンプするようなデザインに仕上げた。製造工程では、フレームにマグネシウムダイキャスト合金を採用し、車体に躍動感を持たせた。
現在、売り上げの90%は実店舗での販売によるもので、米コストコ、サムズ・クラブ、仏カルフール、オーシャン、豪マイヤーといった欧米の大型スーパーで販売されている。オランダ、イタリア、ポーランド、フランスなど欧州の販売ネットワークは比較的分散している。また米国、英国、オランダ、ポーランドには海外倉庫とアフターサービスセンターを建設した。
今回出資した中金匯融の責任者によると、ここ数年は中国の産業が世界のサプライチェーンにおいて、ますます重要な役割を担うようになり、自転車および電動アシスト自転車の分野でも、すでに世界をリードする優位性を持つ。中国発のDYUはその優位性と、欧米のグリーンモビリティや自転車電動化の流れを組み合わせ、ニッチ分野の隠れたリーダーとなっているとし、今回の投資を通じてDYUのサプライチェーン構築と海外市場の開拓を後押ししたい考えを示した。
*2024年2月19日のレート(1元=約21円、1ドル=約150円)で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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