酷暑の中国で夜の消費旺盛 買い物もグルメも「ナイトモード」

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中国北京市のグルメ街、簋街(グイジエ)はこの季節、夜になるとにわかに活気づく。「地下鉄の駅を出る前からおいしそうな香りが漂ってきて、もうザリガニを食べるしかないと思った」。人気のレストランで順番待ちの整理券を取るために並んでいた女性は語る。「夏は友達と夜市に出かけ、夜景を楽しみ、串焼きやザリガニを食べながらビールを飲むのに限る」。

中国では酷暑が続く中、涼しい夜間の消費が盛り上がりを見せている。各地が「ナイトモード」の発展を積極的に進め、夏の夜風の力を借り、新たな消費の活力を刺激し、夜の街の魅力を高めている。

北京市では亮馬河や雁栖湖でナイトクルーズが楽しめるほか、城市緑心森林公園でもファミリー向けのイルミネーションイベントが行われている。上海市で開催中の「2024年上海ナイトライフフェスティバル」は、買い物、グルメ、ショー、エンターテインメント、ナイトツアーなど夏の夜の特色あるさまざまなイベントを用意している。広州市は「羊城(広州の別称)夜市」と銘打って、グルメ、観光、芸術、文化など多方面にわたる夜の遊び方を提案している。

中国で最も緯度の高い黒竜江省は気候が涼しく快適で、観光資源も豊富で多様なことから、多くの避暑客が訪れている。省都ハルビン市では第22回国際ビール祭りが開かれ、会場となったハルビン氷雪大世界には7月初旬の開幕以来、大まかな統計で毎晩2万人以上の観光客や市民が来場。10数カ国から30銘柄以上の千種類を超えるビールが出品されており、ロシアから来たという観光客は「これほど多くの国のビールを見たのは初めて」と目を見張っていた。

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長足の進歩を遂げるデジタル技術と文化観光産業の融合も、伝統的な観光産業の転換とアップグレードを促し、「ナイトモード」の観光を支えている。北京市延慶区の東湖公園で始まったナイトクルージング「媯河(きが)夜画」は、ライトアップ、オープンセット、ホログラムなどさまざまな特殊効果を使い、絵画の中を船で進んでいるかのような体験を生み出した。江蘇省南京市で好評を博している夜間公演「大夢・紅楼」は、名作「紅楼夢」の場面をデジタル技術で再現し、没入型パフォーマンス空間を創り出している。

調査会社の智研瞻産業研究院によると、中国の夜間経済(ナイトタイムエコノミー)の規模は2018年の22兆5400億元から23年の50兆2500億元に拡大した。商務部の都市住民消費習慣調査報告書では、消費の60%以上が夜間に発生しているという。

業界関係者らは、夜間経済と都市経済の発展は相互に促進し合っていると口をそろえる。夜間に行われる特色あるイベントは、消費の時間を延長し、多くの消費者を引き付け、関連産業の成長をけん引する。同時に多くの雇用機会を生み出し、所得増をもたらすことで、住民の消費能力を高め、好循環を形成する。中国の夜間経済はこれからも成長し、消費の安定した回復と拡大をさらに促進する見通しだ。(新華社北京)

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